研究課題/領域番号 |
17360013
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
内海 渉 日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (60193918)
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研究分担者 |
齋藤 寛之 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 任期付研究員 (20373243)
服部 高典 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究員 (10327687)
金子 洋 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 技術開発協力員 (20425565)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
15,350千円 (直接経費: 14,900千円、間接経費: 450千円)
2007年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2006年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2005年度: 9,600千円 (直接経費: 9,600千円)
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キーワード | 窒化物半導体 / 窒化ガリウム / 窒化インジウム / 高圧 / 高温 / 単結晶 / 高温高圧 / 結晶成長 / III族窒化物 / 放射光 |
研究概要 |
本研究は、研究代表者により開発された新しい窒化ガリウム単結晶合成法、すなわち「超高圧下でその分解を抑制しながら試料を加熱融解させ、それを徐冷することで単結晶を育成する手法」をもとにして、各種III族窒化物結晶の高圧下での育成を探究する目的で開始された。まず、装置面からの研究開発として、1500プレスによる高温高圧発生装置を立ち上げ、ハード・ソフト両面からの開発を行い、窒化ガリウム単結晶育成に必要な圧力・温度(6GPaの超高圧下で2200℃以上の高温)を数時間以上安定して発生させることに成功するとともに、合成用セルの改良を行い、パイロリティック窒化ホウ素が合成用るつぼ材として非常に有効に機能することなどを明らかにした。 また、窒化インジウムについて精力的な研究を行い、まず、同物質の高温高圧下における状態図と分解温度曲線を放射光その場観察により決定した。その結果、窒化インジウム結晶は、高圧下でウルツ鉱型構造から岩塩型構造に相転移し、圧力によって分解を抑制して一致溶融させる手法が利用できないことが判明し、研究方針を結晶育成から熱力学的安定性の詳細の解明に変更した。窒化インジウムの熱力学的な知見は、デバイス製造プロセスを設計する際の境界条件を把握するうえで重要であるが、分解反応のカイネティクスの影響が大きく、通常の手法では熱平衡状態を反映した実験データを得ることが難しかったものである。今回の研究において、幅広い圧力下での実験データを解析することにより、標準生成エンタルピーと常圧での分解温度が実験的に決定された(それぞれ、-36.3kJ/mol、204K)。さらに、酸化インジウムについての研究も行い、同物質の高圧相結晶(コランダム型構造)を常圧下に回収することに成功し、本プロジェクトが推進してきた高温高圧条件を利用した新規物質の単結晶育成研究の新たな展開例となった。加えて、本研究チームによる高温高圧研究は、米国で発表されてセンセーショナルな話題となっていた単元素バルクメタリックガラスの存在を、我々の精密な実験により否定するという副産物ももたらした。
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