配分額 *注記 |
16,350千円 (直接経費: 15,300千円、間接経費: 1,050千円)
2007年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2006年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
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研究概要 |
本研究は,散漫相転移や大きな圧電効果などの特異な物性を示すリラクサー系強誘電体の,ドメイン構造を制御することにより,これまでに無い新たな非線形光学素子の開発を目指すことを目的としている。 特に,リラクサー系強誘電体としてPb(Zn1/3Nb2/3)03とPbTi03の混晶である(1-x)PZN-xPT(xはPT組成比)を中心に取り上げ,マクロな領域にわたる自発分極方向の均一化による,巨大な,電気光学効果・非線形光学効果・フォトリフラクティブ効果等の発現を目指す。さらに1次元あるいは2次元のドメインパターンを分極反転技術により形成し,擬似位相整合等を用いた波長変換,さらには超短光パルスの時空間ソリトン圧縮等を行うさまざまな高機能非線形光学の実現を目指した。さらに実現するためには,現在のところ完全には解明されていない,リラクサー系強誘電体混晶の自発分極・ドメイン構造に関する物理のより深い理解を目指した。 今年度は、PZN-PT結晶の単一ドメイン化とドメイン観察を行なった。各方位、[001]、[110]、[111]方向へのポーリングを行い、ポーリング方向によるドメインの性質の違いを計測・評価した。原子間力顕微鏡(AFM)と同じ原理に基づく、圧電応答顕微鏡によるドメインの観察を行なった。この結果、[110]方向にポーリングした結晶は、周期的の高い整然としたドメインが形成されているのに対して、[001]方向にポーリングした結晶では、ドメイン形状の規則性が非常に低いことがわかった。これはPZN-PT結晶の本来の自発分極の向きが[110]方向であるという過去の報告を裏付ける結果となった。これにより、PZNとPTの構成比により自発分極の向きは[001]方向の場合と[110]方向の両方がありうることが明らかになった。
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