研究分担者 |
庄子 哲雄 東北大学, 大学院工学研究科, 教授 (80091700)
三浦 英生 東北大学, 大学院工学研究科, 教授 (90361112)
駒崎 慎一 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (70315646)
玉川 欣治 東北大学, 大学院工学研究科, 技術補佐員 (30005368)
佐藤 康元 東北大学, 大学院工学研究科, 特別教育研究教員 (30396460)
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研究概要 |
本研究においては,高効率ガスタービン用高温保安部品の長期信頼性および安全性確保のために,材料のナノ組織に着目した経年劣化メカニズムの解明とその非破壊評価手法に関し検討を行った.特に,熱遮へいコーティング(TBC)の経年劣化に影響を及ぼす残留応力に関し,高輝度光科学研究センターの大型放射光施設SPring-8を利用し厚さ方向の残留応力分布を評価した.また,前年度の研究で得られた劣化メカニズムに基づき電磁波を用いた非接触非破壊検査手法の確立および高感度化を実施した. 熱遮へいコーティングは,Ni基超合金の基材とイットリア安定化ジルコニアのトップコート間で熱膨張係数が異なるため,使用停止による温度変化に伴い,熱応力が発生する.さらに,長時間の使用によって,トップコート/ボンドコート界面には熱成長酸化物が生成し,熱応力はさらに助長される.トップコート表面の残留応力はラボX線により評価可能であるが,この場合,トップコートの極表面の情報しか得られず,TBC全体の残留応力とは言い難い.そこで本研究においては大型放射光を用い,トップコート内部の残留応力を求めた.本試験では1000℃まで高温し,室温まで降温するサイクルの試験によってトップコート内部に80MPa程度の圧縮残留応力が発生していることを確認した. 非破壊評価に関しては,前年度の研究において,数ミクロンの熱成長酸化物(TGO)の生成によってはく離破壊が生じやすいことを確認している.このTGOに関し,電磁波を用いた新しい非破壊検査手法により,定量的な厚さ評価を行った.その結果,入射した電磁波と反射した電磁波の比である反射係数および位相からTGO厚さ定量評価の可能性を示した.また,検出感度向上のため,導波管センサの使用および20GHz以上の高周波数帯を使用して評価を実施した.その結果,周波数が高くなるほど検出感度は向上し導波管センサの値用によりノイズを低減させ高感度な検出が可能であることを明らかにした.
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