配分額 *注記 |
16,420千円 (直接経費: 15,700千円、間接経費: 720千円)
2007年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2006年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2005年度: 10,800千円 (直接経費: 10,800千円)
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研究概要 |
大面積電子ビーム照射による金型の高能率表面処理法を確立するために,照射条件と平滑化特性の相関,平滑化メカニズムの解明,照射面の組織変化や表面特性の評価,傾斜面の平滑化等について体系的に検討を行った.本研究で得られた結論は以下の通りである. 1.大面積電子ビームのエネルギー密度が大きいほうが平滑化の効果が高い.また照射回数の増加とともに照射面の粗さは減少する傾向にある. 2.大面積電子ビーム照射面には数ミクロン以下の再凝固層が形成される,再凝固層において母材との成分変化はほとんどないが結晶粒の小さい組織へと変化する. 3.大面積電子ビーム照射法においては,表面の凸部に優先的に電子線が集中することで選択的に除去され,表面の平滑化が進行する. 4.大面積電子ビーム照射によって表面硬度が若干の低下するものの,撥水性,耐食性が向上する.すなわち,金型の表面特性として必要とされる耐食性や撥水性の改善を表面の平滑化と同時に行えるため,有用な表面処理法であることが示された. 5.傾斜面に対して大面積電子ビーム照射を行った場合,試料表面の形状に倣ってある程度均一なエネルギー密度で照射されるため,試料の傾きなどの調整なく,大面積を一括して均一に平滑化できる. 6.大面積電子ビーム照射による表面除去量は,一回の照射での除去量は数十nmレベルであり,大面積が均一に除去される.したがって金型の表面形状精度が悪化することなく,表面処理が行える.
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