研究課題
基盤研究(B)
本研究課題では、平成17年度と18年度の2年間で、気体分子の平均自由行程のオーダから連続体のオーダまでのマルチスケール流動現象に対する、信頼性が高く経済的なボルツマン/ナビエ・ストークス統合(ハイブリッド)解法の研究開発を行った結果、次のような成果が得られた。(1)効率の良いボルツマン/ナビエ・ストークス統合解法を構築するためには、演算負荷の多いボルツマン解法を流れ場の状態から判断した必要最小限の領域にのみ使用し、他の部分にはナビエ・ストークス解法を用いるのが望ましい。そこで、さまざまな流れの条件に対して解法の自動選択を可能にする評価関数の研究を行ったところ、基準マッハ数で正規化した密度と速度と温度のそれぞれの勾配に基づく局所クヌッセン数の最大値を評価関数とするのが適切であることが判明した。(2)ボルツマン解法とナビエ・ストークス解法の統合に際しては、相互の従属変数の交換が必要であるが、ナビエ・ストークス解法からボルツマン解法への交換に対してはChapmann-Enskogモデルが最も有効であり、その逆にはナビエ・ストークス解法の数値流束を対応する分布関数の数値流束を積分した流束で置き換えることが安定性の点でも保存性の点でも優れていることが判明した。(3)上記の評価関数と従属変数の交換法を採用した自己完結的なボルツマン/ナビエ・ストークス統合(ハイブリッド)解法コードを作成し連続体流れから自由分子流れの間の遷移流領域のシミュレーションを行ったところ、従来の単独のボルツマン解法を用いた場合と比較して、最大で100倍程度の計算効率の改善が実現できた。
すべて 2007 2006 2005
すべて 雑誌論文 (14件)
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