配分額 *注記 |
11,370千円 (直接経費: 10,800千円、間接経費: 570千円)
2007年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2006年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2005年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
|
研究概要 |
本研究では,走査型熱顕微鏡(SThM)上で,ナノスケール空間分解能と定量性を備えた局所熱伝導率計測法を開発することを目的とし,多機能カンチレバープローブを製作し,その性能を実験的に評価した,カンチレバープローブは長さ600ミクロン,厚さ2ミクロンの酸化シリコンを本体とし,先端部から接触熱電対用電極,熱量校正用ヒータ,熱流計測用サーモパイル,温度計測用熱電対,プローブ加熱用のヒータを集積したものである,SThM上で局所熱伝導率を計測するには,試料とプローブの温度差と輸送熱量の比となる熱コンダクタンスと,接触状態を反映する接触部温度を同時に計測する必要があり,また,高い精度が要求される.本研究で開発したカンチレバープローブは,熱流計測を内部ヒータの発熱量で較正でき,また,薄膜熱電対の起電力も内蔵ヒータの温度特性を利用してプローブ単体で決定できるものであり,微細加工プロセスで作成されるセンサに共通する感度較正のあいまいさを排除し精度の改善が可能である. カンチレバープローブをSThMへ搭載し性能試験を実施した結果,10^<-4>Pa以下の真空環境では,熱フィードバックを行いサブミクロンスケールで試料表面温度を計測できる能動温度計測法が実施でき,プローブ先端部ヒータを発熱させ接触部へ流入する熱流をサーモパイルで計測することにより,高空間分解能な熱コンダクタンス画像計測が可能なことが示された.さらに,試料表面に金属薄膜をコートし,プローブ先端の電極との間に接触熱電対を構成することで,接触部界面の温度をモニターできる.接触熱コンダクタンスと接触温度の同時計測が可能であり,定量的な局所熱伝導率計測が行えることが示された。
|