配分額 *注記 |
15,910千円 (直接経費: 15,100千円、間接経費: 810千円)
2007年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2006年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
2005年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
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研究概要 |
気液相変化伝熱過程における蒸気と液の相互干渉などに基づいて形成されるミクロンオーダーの厚さをもつ薄液膜の形成過程とその伝熱過程に焦点を当て,非接触状態のまま薄液膜測定を行うことが可能な水の赤外線の消光性質を利用するレーザー消光法を用いて,沸騰熱伝達過程において生成蒸気と伝熱面間に形成されるミクロ液膜の厚さ測定法を行っい,ミクロ液膜の形成機構・変化特性をより一般的に理解するための研究を進めた. はじめに,ミニチャネル沸騰系におけるミクロ液膜特性測定実験をはじめに実施した.なお,ここでミニチャネルとは伝熱板間隔を狭めたプレート式蒸気発生器の蒸発液体の入る間隙部を指しており,間隙寸法として0.15〜1.0mmを用いた.その結果、主要な伝熱モードである薄液膜支配領域におけるミクロ液膜の厚さ分布、厚さを決める支配因子等に関する検討を進め,狭隘間隙ミニチャネル系におけるミクロ液膜構造を測定により明らかにした.さらに,ミクロ液膜の存在期間における蒸発伝熱などのミニチャネル系の伝熱モデルを構築し,その熱伝達特性を解明した。 次に,マイクロ光ファイバーシステムを水中測定用に適用することによる,沸騰伝熱の主要な系であるプール核沸騰系におけるミクロ液膜特性測定実験のための主要な検討を実施した. すなわち,試験液体には,一般性が高く赤外消光性質が明らかな水を用い,沸騰の主要因子と液膜厚さの関係を解明した.また,従来から多くの研究の基礎として用いられてきている代表的なCooper-Lloydの理論が不十分であることを示した.さらに,比較的低熱流束の孤立気泡域ではミクロ液膜の熱伝達への寄与は大きくなく,比較的熱流束の高い合体泡域から限界熱流束あるいは遷移沸騰領域においてはミクロ液膜の寄与が大きいとの定性的説明が従来なされてきているが,その影響について定量的に実証した.それらの結果から,プール沸騰の孤立気泡域ではミクロ液膜蒸発の影響は15%程度までであり,さらに熱流束の高い合体気泡域ではその影響が増大するであることを示した.
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