研究課題
基盤研究(B)
現有の高分解能RBS装置に適合する、高精度ゴニオメーターを設計・製作した。また、現有の高分解能RBS装置とゴニオメーターの両方に適合するロードロックシステムを設計・製作した。改良した高分解能RBS装置を用いて、SiGe層上に成長したひずみSiのチャネリング軸まわりの角度スキャン測定を行い、その結果を軌道シミュレーションを用いて解析してひずみを正確に求める方法を開発した。この方法を用いて、イオン注入により表面層に非晶質層が形成されたひずみシリコンと、それを熱処理によって再結晶化した試料のひずみを測定し、熱処理によって非晶質層が結晶化する際にひずみが回復することを見出した。次に、清浄ひずみSi(001)上ヘゲルマニウムのエピタキシャル成長を行い、その場で高分解能RBS観察をおこなった。また、比較のために通常のSi(001)をもちいて、同様の測定をおこなった。その結果、通常のシリコン上の成長に比べて、ひずみの存在により下地シリコン結晶内部へのゲルマニウムの拡散が促進されていることが明らかになった。さらに、ひずみSi(001)と通常のsi(001)へ酸素の暴露を行い、酸化初期過程を高分解能RBSによりその場観察を行った。まず、室温と640℃における酸素の飽和吸着量を調べたところ、ひずみシリコンと通常のシリコンでは差がないことを見出した。次に、室温における酸化過程を詳細に調べた結果、12Lの酸素暴露ではひずみシリコンと通常のシリコンで差が見られないが、計30Lの酸素暴露のときには、ひずみシリコンの酸素吸着量が通常のシリコンより多いことがわかった。この結果は、吸着サイトによりひずみの効果が異なることを示していると考えられる。
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Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B 249
ページ: 432-435
Physics Research B Vol.249
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B 230
ページ: 230-233
Physics Research B Vol.230
Nuclear Instruments and Methods B 230