配分額 *注記 |
7,230千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 330千円)
2007年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2006年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2005年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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研究概要 |
空間電荷分布測定は,固体絶縁材料中の電荷の分布を測定する技術である。実用状態の電力機器で使用される固体絶縁材料中の空間電荷分布は,3次元的に分布する可能性が高く,3次元空間での空間電荷分布測定装置の開発が望まれている。空間電荷分布は過渡的に変化するため,短時間間隔での測定ができれば以下のような測定が可能となる。具体的な応用分野としては,電力ケーブル用の固体絶縁材料の評価や材料開発やプリント基板の空間電荷分布測定などがある。本研究で目指している装置の目標は,「測定試料の厚さ方向(Z方向数ミリメートルの範囲)と試料の横方向(X方向数10mmメートルの範囲)の面の測定範囲ミリ秒間隔で空間電荷分布を測定できる装置を開発すること」であった。 センサ分割型の短時間間隔空間電荷分布測定装置の技術を提案し目的の装置開発を行った。短時間間隔の空間電荷分布測定が可能となるように,シーケンシャルトリガモード(オシロのメモリを予め分割しておき,トリガ信号毎に分割したメモリに信号を記録する機機能)を有する4チャンネルのデジタルオシロスコープ3台を利用して目標の装置の開発を行った。厚さ方向に20μm,横方向2.7mm(30mmの範囲に11センサを配置),測定時間間隔0.05msと目標とした性能の装置を計画の通り実現した。開発した装置を用いた応用分野として挙げた電力ケーブル用の固体絶縁材料の低密度ポリエチレン(LDPE)中で起こるパケット電荷(材料中を塊となって移動する電荷)挙動の観測に成功した。この研究の成果として,これまでこの分野の研究者によって予測されていた高分子絶縁材料における試料面内の不均一さを初めて実験的に明らかにした。今後は,開発した装置の完成度を高め,電子機器の絶縁材料評価に利用する。
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