研究課題/領域番号 |
17360162
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子デバイス・電子機器
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
八木 哲也 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (50183976)
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研究分担者 |
小山内 実 大阪大学, 大学院工学研究科, 助手 (90286419)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
14,100千円 (直接経費: 14,100千円)
2006年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 10,400千円 (直接経費: 10,400千円)
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キーワード | 視覚野 / 脳型デバイス / BCI / 視覚再建 / 電気刺激 / スライス脳 / 局所神経回路 / アナログ集積回路 / 一次視覚野 / ガボールフィルター / 脳電気刺激 / BMI / 人工視覚 / ガボールフィルタ / 視覚神経回路 |
研究概要 |
全盲患者の視覚野に視覚情報をインターフェイスし、失われた視覚を部分的にも再建するために視覚野に移植される電子デバイスを脳型人工視覚デバイスと呼ぶ。ここで、視覚野に移植された電極に供給される電気刺激制御信号は、全盲患者に視覚を有効に誘発するために適切にデザインされなければならない。本研究の目的は、この人工視覚デバイスとして利用できる脳型ビジョンセンサーを開発することである。ヒトでは、視覚情報はまず網膜によって受容・処理され、外側膝状体(LGN)をとおって視覚野V1へと送られる。この生理学的な知見を基に、網膜および視覚野V1の機能を備えたアナログ-デジタル混在型の脳型電子デバイスを作成した。このデバイスは、V1にある単純型細胞の光応答を実時間かつ超低消費電力で模倣することができる。このような視覚情報処理を超低消費電力および実時間で実行することは、脳型人工視覚デバイスに要求される最も重要な性能である。デバイス開発に続き、電気刺激が有効に視覚野神経回路網を興奮させることができるかを調べるために、マウスのスライス脳を用いた生理学実験を行った。視覚野V1ではLGNより第4層に入力がある。この第4層に与えた双極電流パルスによって惹起された応答は、第2/3層へと垂直方向に伝播した。この現象は、電流刺激によって惹起された応答が、視覚野神経回路の機能カラムに沿って垂直方向に伝達したことを示唆し、過去の生理学的・解剖学的な知見から予想されている視覚情報伝達経路と合致する。以上から、我々は本研究で開発された脳型人工視覚デバイスの出力を、視覚野V1の第4層にインターフェイスすることによって、LGNからの視覚情報入力を部分的にも代行できると結論した。
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