配分額 *注記 |
15,970千円 (直接経費: 14,800千円、間接経費: 1,170千円)
2007年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2006年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
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研究概要 |
本研究では車両走行中の高架橋が地震を受けると,どのような挙動になるかを解析的に明らかにし,車両や列車の走行安全性について検討する.そのために,水平運動に対する自由度も考慮した道路橋,鉄道橋およびモノレール高架橋において三次元車両モデルを構築し,橋梁-車両連成系の三次元地震応答解析プログラムの開発を行った. 1. 都市高速道路高架橋を対象として,大型車両を水平振動も考慮する12自由度系の車両モデルに定式化し,地震応答解析より,車両振動系が橋梁の地震応答に及ぼす影響は,地盤条件によって変化する地震波の周波数特性に依存することが明らかになった.また,地震時の車両走行時と停車時の滑り易さを検討し,走行時において最大摩擦力の変動が大きいために,走行時の方が僅かに滑り易いことがわかった. 2. 新幹線車両については15自由度系三次元モデルに定式化し,連成解析手法が妥当であることを現地実測結果との比較により確認した.そして,15自由度振動系列車走行下,三次元高架橋有限要素モデルとの連成系のレベル1地震荷重を受ける際の動的応答は地震波の周波数特性により大きく変わることが分かった.また,走行列車の地震時脱線の可能性を脱線係数により評価し,レベル1地震時は安全であることが分かった. 3. モノレール高架橋では,地震応答に及ぼす跨座型モノレール車両の影響およびモノレール高架橋の耐震設計の合理化について検討し,合理化桁橋梁の地震時応答は従来桁に比べ大きいが,耐震性能基準(残留変位が橋脚高の1/100)を満足していることが分かった.また近年提案されている合理化合成鋼軌道桁システムの耐震性能を明らかにした. 本研究の遂行より,地震時橋梁の応答について走行車両の動的作用を考慮でき,現行の耐震補強対策の有効性の確認や新たな対策の提案,さらに現行耐震設計の高度化に貢献できると期待している.
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