研究概要 |
本研究では,基礎の耐震構造化として地盤改良複合杭基礎形式を提案した.地盤改良複合杭基礎は,地盤改良体と本来の構造基礎を一体化したもので,地盤改良体の剛性と前面抵抗などにより基礎の水平支持力を格段に向上させると共に、改良体部の高減衰化を図った新しい複合杭基礎形式である.また強震時の大応答に対して損傷が修復可能な設計法である.具体的には、地盤改良杭のハニカム・セル構造が杭体を囲む形で設計し、同内部をタイヤ・シュレッドで中詰した構造とする.新基礎形式-地盤改良複合基礎杭形式を提案している.高減衰化の設計法として、上記のハニカム・セル構造中詰めにおいてアスファルト乳剤等の混入により粘度の非常に高い粘弾性体とすることで、減衰性と共に振動の伝播を抑制する.本研究では、同基礎の交通振動による振動性状を線形応答から強震時の応答を非線形性状にわたってコンピュータ・シミュレーションから調べ.耐震性能の観点から一部損傷型基礎の有効性を検討した. ハニカムセル構造WIBの実験とコンピュータ・シミュレーションによる検証を実施した.実験では剛な壁面をプレキャストで製作したハニカム・セルを複数構造で作成し、中詰をタイヤ・シュレッドとするWIB工法をとり,起振機、ガイドハンマーを使用したフィールド実験からその減振効果を加振振動数大域との関係で明らかにした. 上部構造との動的相互作用における地盤改良複合基礎構造のコンピュータ・シミュレーションを,交通振動を対象として上載加振状態から調べ,提案の地盤改良複合杭基礎の応答低減への効果を評価した.その際,ソイル杭の剛性,中詰材の剛性,複数ハニカム・セルの個数等をパラメータにして,それらの影響をパラメトリックにとった.
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