配分額 *注記 |
12,660千円 (直接経費: 12,300千円、間接経費: 360千円)
2007年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2006年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2005年度: 8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
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研究概要 |
本研究は,深海から中間水深を経て浅海へと伝播していく波群の変形特性を明らかにするため,波群長の数倍の伝播距離に相当する沖合数kmにわたって設置した波高計により台風通過時の水位変動・流速を観測し,相対水深kh=1.36前後の水深から浅海域における波群の伝播変形特性について調べようとするものである.現地観測により得た主要な結論は以下の通りである. 1.波群個々波の有義波の伝播に伴う波高変化は,浅水変形・屈折変形・波高減衰から予測される波高比より小さくなるケースがあり,波の方向集中度性に加えて,波の非線形性に起因する変形特性が見られる.有義波高のピーク値付近では,平均的に見ると波群個々波の振幅の変動は小さくなり,波群包絡波はやや扁平化する. 2.長周期波の分離では,反射成分の方が入射成分よりも大きくなる時間帯が見られ,その時間帯では長周期流速が間欠的に大きくなることがあった. さらに本研究では,入射波の波形勾配を種々に変化させた規則波および2成分合成波を用いた造波水槽実験を行い,鉛直壁前面における波の周期・波長および波形変形について詳しく調べ,強非線形波の反射特性について明らかにした.実験を通して得た主要な結論は以下のようである. 1.入射波と反射波の重なり合う重複波浪場では波長は短くなり,周期はわずかながら増大し,その結果,波速は減少する.入射波の波形勾配がak>0.24と大きくなると,鉛直壁前面では振幅変調により波高の大きな波が発生する。 2.重複波動場では波群の最大波付近で入射波の角周波数よりわずかながら減少する.入射波の波形勾配が最も大きいケースでは,入・反射波の相互干渉により鉛直壁面前面での波高が4.5倍に達する.
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