配分額 *注記 |
13,790千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 690千円)
2007年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2006年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2005年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
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研究概要 |
本研究は,水災危機管理の実質化の立場から,市街地構造・地形起伏などの各種様々な氾濫原要素や,河川・下水道などの計画規模が異なる諸治水施設が存在する都市域を対象として,そこでの多様な水災シナリオの予知,効果的な被害軽減対策のあり方などについて総合的な観点から高い精度で評価・検討できる,「氾濫・雨水管理・浸水対策検討シミュレータ」(以下,「氾濫シミュレータ」という)開発を実施したものである。 「氾濫シミュレータ」には,(1)地表面洪水流・氾濫流と下水道流の特性を踏まえて,内水氾濫から外水氾濫プロセスまでを的確に解析できる能力と,(2)実水災に対する再現精度の検証がなされた上で,降雨外力から将来の水災シナリオを予知できる能力が求められることを踏まえ,次のような一連の研究を実施した。(1)FDS,非構造格子等の最新の数値流体力学に基づく高精度かつ高解像な「地表面洪水流・氾濫流モデル」と「下水道流モデル」の構築,および両モデルの一体化,(2)LPデータや航空写真を用いた解析データの質の向上,(3)GISによる解析データの整理・管理の一元化,(4)実氾濫とのキャリブブレーションおよび(5)仮想外力に対するシミュレーション。 (1)〜(3)の研究で「氾濫シミュレータ」を構築した後に,(4)では遠賀川流域飯塚市の水災(2003)に対して,キャリブブレーションを実施した。その結果,短期集中豪雨による中小河川の溢水と下水道排水不良による内水氾濫,支川の氾濫の間接的要因となった本川外水位,密集市街地の浸水とそこでの地盤の高低差に起因した氾濫水の拡散・流下プロセスなどが,良好に再現できることが確認された。さらに(5)では,遠賀川流域全体を対象とした流出解析及び本川の洪水追跡から得られる境界条件下で,仮想外力に対するシミュレーションを実施した。
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