配分額 *注記 |
13,140千円 (直接経費: 12,000千円、間接経費: 1,140千円)
2007年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2006年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2005年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
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研究概要 |
本研究では浅海域として干潟および藻場を対象に,それら生態系のもつ富栄養化を抑制する機能について評価を行った. 1.干潟生態系の調査から,泥質干潟では陸域由来の有機物が,砂質干潟では海域由来の有機物が堆積する傾向が認められ,それらの起源を安定同位対比・脂肪酸分析から定量的に明らかにする手法を構築した.また,有機物含有率は動的平衡の状態にあり,非粘着性と粘着性の底質では有機物含有率の変動周期・幅が異なり,動的平衡をもたらす物理的機構に違いがみられた.これらの結果に基づき,自然干潟における有機物含有率の動的平衡,および底質の巻き上げ頻度と有機物含有率の関係をそれぞれ記述する概念モデルを提案した. 2.藻場生態系の調査から,コアマモ藻場においては多毛類や甲殻類の個体数や種類数が裸地よりも有意に多いことが示された.また,冬季には著しい二枚貝稚貝の着底が確認され,コアマモが二枚貝付着基盤としての機能を保持していることがわかった. 3.Skeletonema costatumにおいて,アレロパシー効果が最大比増殖速度と比増殖速度の差として速度論的に評価できるバイオアッセイ手法を構築した.この手法により,アカモク藻場内側及び藻場群落のない外洋の海水をろ過滅菌してアッセイした結果,S. costatumの比増殖速度が有意に低下し,微細藻類の増殖に及ぼす海藻のアレロパシー効果について実環境においてその存在を証明することができた.
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