配分額 *注記 |
9,200千円 (直接経費: 8,900千円、間接経費: 300千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
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研究概要 |
剛性・質量分布の一様な等方性浮屋根およびシングルデッキ型浮屋根を有する円筒液体貯槽を対象に,浮屋根と液体との連成作用を考慮した地震時スロッシング応答の解析解を線形ポテンシャル理論に基づき導出し,その妥当性を模型振動実験により検証した。さらに,任意の形状と剛性・質量分布を有する直交異方性浮屋根にも適用できる解法としてFEM(有限要素法)と解析解の結合解法を提案し,リブ補強型浮屋根に適用して補強の効果を確認した。研究結果から得られた知見は以下のように要約される。1)シングルデッキ型浮屋根の場合,浮屋根による拘束効果は極めて小さく,液面変位分布は自由液面の場合とほとんど変わらない。ダブルデッキ型およびリブ補強型浮屋根はほぼ剛体的に変位し,浮屋根による拘束効果によって中央部の液面変位は自由液面の場合よりもかなり小さくなる。2)シングルデッキ型浮屋根の場合,動液圧分布は剛性の高いポンツーン部に集中し,デッキ部とポンツーン部との接続部に鋼材の降伏点応力に達する大きな曲げ応力が発生する。ダブルデッキ型およびリブ補強型浮屋根の場合,動液圧や曲げ応力度はシングルデッキ型浮屋根の場合よりも増加するが,断面の厚さが十分であれば,曲げ応力度が通常の鋼材の降伏点応力を超えることはない。3)模型振動実験により得られたダブルデッキ型浮屋根の変位応答は解析解と良く一致し,その妥当性が検証された。シングルデッキ型浮屋根の変位応答も解析解と概ね一致したが,円周方向フーリエ展開次数1の線形応答に加え,1次固有振動数の2倍の振動数で振動する円周方向フーリエ展開次数0および2の非線形倍調波共振モードの発生が確認された。4)2003年十勝沖地震で発生した浮屋根の損傷,沈没等のスロッシング被害を防止するためには,シングルデッキ型浮屋根をダブルデッキ型あるいはリブ補強型浮屋根に改修することが望ましい。
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