研究分担者 |
中東 潤 福山大学, 工学部, 講師 (40341200)
井上 達雄 福山大学, 工学部, 教授 (10025950)
宮内 克之 福山大学, 工学部, 教授 (80368779)
上野谷 実 福山大学, 工学部, 教授 (40034376)
寺井 雅和 福山大学, 工学部, 講師 (90320035)
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配分額 *注記 |
15,980千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 1,380千円)
2007年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2006年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2005年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
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研究概要 |
地震エネルギーを効果的に吸収,散逸させる耐震性新鋼材15Ni-15Cr鋼の開発とそれを組み込んだ塑性デバイスは、従来の鋼材より地震エネルギーを効果的に吸収することが確認されたが、これを用いた耐震構造システムの開発は次のような段階を経ている。本研究課題では、より具体的に建築構造物および土木構造物の地震被害をより合理的に軽減する構造システムの具体的な実用化に向けて発展させ、我国における建設産業界はもとより国際的な視野にたった地震災害の軽減を図るところに独創性がある。 材料開発では、0.2%耐力100〜150MPa,引張強さ400MPa程度,伸び30%程度を目標に成分系の探索を行った。その結果、4Ni-14Cr-24Mn鋼熱延材が0.2%耐力118MPa,引張強さ448MPa,伸び28%を示した.また,伸び20%付近で最大応力を示し,開発目標値に近い材料として得られた。 鋼構造の柱に対するせん断塑性リンクの導入を想定した実験を行った.その結果,せん断塑性リンクの開発には,鋼種を考慮するだけでなく,使用鋼材のせん断特性に適したフランジ厚およびウェブ厚を採用し,ウェブのリブ数を変化させることにより,SMより強度および変形性能に優れたせん断塑性リンクが可能となる.今後の課題として,新鋼材は,充分な変形性能を有するため,この鋼種をウェブに組み込んだ場合におけるウェブ厚とフランジ厚の板厚比,およびリブ間の幅厚比などに関する最適条件を明らかにすることが求められる. 補強筋として新鋼材の棒鋼を組み込んだ鉄筋コンクリート部材は、塑性ヒンジデバイスとして地震エネルギー消費能力が極めて高いことが実験により確認できた。これを、既存鉄筋コンクリート建物の耐震補強部材として応用する検討を実験的に続けた結果、部材寸法と配筋角度を調整することで、新鋼材の特性を活かしながら部材性能を最も発揮できることが確認できた.
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