配分額 *注記 |
16,360千円 (直接経費: 15,100千円、間接経費: 1,260千円)
2007年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2006年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
2005年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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研究概要 |
本研究では,超高圧高温発生システムとしてダイアモンドアンビルセルとレーザー加熱を組み合わせたシステム(LASER-DACシステム)を用いた.まずこれまで使用してきたLASER-DACシステムを改良した.さらに,従来のLASER-DACシステムでは赤外レーザーとしてYAGあるいはYLFレーザーを用いてきたが,本研究ではこれらのレーザーとほぼ同じ波長でありながら機動性に勝り,より新準結晶探索に適しているファイバーレーザーを用いたLASER-DACシステムを開発することに成功し,このシステムの合成プロセス特性を調べた.さらに,放射光施設に設置されているYAG-LASER-DACにファイバーレーザーを組み込み,ファイバーLASER-DACを用いた超高圧高温放射光X線回折システムを構築し,その場測定に成功した. 超高圧高温でしい準結晶を探索するには高価な宝石用の天然ダイアモンドアンビルは不利となるため,最近開発されたナノ多結晶ダイアモンドアンビルを用いて超高圧高温試料作製を試みた.その結果,従来のYAG-LASER-DACよりも,上述で新しく開発したファイバーLASER-DACのほうが十分な加熱には適していることが明かとなった.しかしながら,超高圧下でのその場X線回折実験の結果,アンビルであるダイアモンドからの回折ピークが非常に強いという問題点も明らかになった. 開発したファイバーLASER-DAC超高圧高温発生装置システムを用いて,新しい準結晶と関連物質の作製を試みた.新しい構造を有した物質が創製された可能性がある結果を得たが,現在のところ粉末X線回折測定および透過型電子顕微鏡観察で相を同定するには至っていない.準結晶関連物質の相安定性をクラスターレベルで解明し,新しい準結晶を創製するための知見を得た.さらに,準結晶及び複雑構造物質の放射光高圧その場高精度粉末X線回折測定によって,高圧下での相安定性と圧縮特性および構造の高圧誘起欠陥について解析・解明した.
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