研究課題/領域番号 |
17360310
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
山田 裕 新潟大学, 自然科学系, 教授 (10242835)
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研究分担者 |
石川 文洋 新潟大学, 自然科学系, 助手 (50377181)
大野 義章 新潟大学, 自然科学系, 教授 (40221832)
松下 明行 物質・材料研究機構, 材料研究所, アソシエイトディレクター (30343859)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
14,600千円 (直接経費: 14,600千円)
2006年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
2005年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
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キーワード | 銅系酸化物超伝導 / ダブルチェーン / NOR / 朝永-Luttinger理論 / 擬一次元超伝導 / 圧力効果 / 高圧酸素合成 / 改良型ブリッジマンセル / NQR / d-pモデル |
研究概要 |
我々は、Pr2Ba4Cu7015-δ(Pr247)酸化物において酸素還元処理を施すことにより超伝導が出現することを発見した。これは従来のCuO_2二次元面による超伝導とは異なり一次元CuOダブルチェーンによる超伝導であると考えられる。これを解明するためには、良質な試料の合成、特に単結晶の育成、電気抵抗、ホール効果、低温比熱、NQR等の基礎的物性測定、特に超伝導の圧力効果の測定、朝永-Luttinger理論を基礎にしたt-Jモデルを用いた理論的解析が必要となる。本研究では上記の研究を系統的に行うことにより、この超伝導の機構を解明することを目的としている。 その結果以下のような結果が得られた。 1.Pr247酸化物の良質試料合成と還元条件の確立を行った。その結果酸素還元量と超伝導遷移温度にベルカーブ的相関があることを明らかにした。またそのときの最高の超伝導遷移温度は24Kであり超伝導の体積分率は70%を超えることが明らかとなった。 2.Pr247酸化物の超伝導の圧力効果を調べるため改良型ブリッジマンアンビルセルの開発を行い、10GPaまでの高圧力下での物性測定が可能となった。 3.Pr247酸化物の圧力下での電子輸送特性を測定した。その結果、加圧に伴い超伝導は消失し、その消失する圧力が酸素還元量に依存することを明らかにした。またいずれの試料も8GPa以上では半導体的振る舞いをすることを発見した。 4.Pr247の結晶構造解析データを基にバンド計算を行い、これによりダブルチェーンにおける朝永-Luttinger理論を基礎にした解析を行った。その結果今回のPr247の超伝導に関する実験結果を良く説明できることを示した。
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