研究課題/領域番号 |
17360324
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機材料・物性
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
藤本 正之 静岡大学, イノベーション共同研究センター, 教授 (60372520)
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研究分担者 |
大野 智也 Kitami Institute of Technology, Material Science, Assistant (90397365)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
14,980千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 780千円)
2007年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2006年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
2005年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
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キーワード | ペロブスカイト / ナノ構造 / 抵抗スイッチング / モット転移 / 酸化物薄膜 / 電子輸送特性 / 高速抵抗変化 / TEM / EELS |
研究概要 |
1. PCMO結晶性-抵抗-パルス抵抗スイッチングの関係の体系的研究 マンガナイト系ペロブスカイトPCMO((Pr_<0.7>Ca_<0.3>)MnO_3)薄膜における、電界パルス誘起抵抗変化(electricpulse-induced resistive change: EPIR)(APL.76, 2749(2000))は、磁場印加の必要無しに電圧パルスの印加により室温で数桁におよぶ抵抗変化が現れるという電子デバイス応用上画期的なものであった。単結晶あるいはエピタキシャル成長PCMOは、AgまたはPt電極の4端子法測定で金属的な導電性しか示さない(Phys. Rev. B 62, R16337(2000))が、何故に初期的に高抵抗を示し、電圧パルスの印加により高抵抗-低抵抗のスイッチングを起こすのかは、謎であった。我々は、様々の基板(Si、(111)配向Pt電極、SrTiO_3)にパルスレーザー法、スパッタリング法で化学両論、非化学両論組成PCMOを成膜温度、酸素アニーリング条件などを体系的に変化させて作製し、PCMO薄膜の結晶性と初期抵抗、抵抗スイッチング現象との関係を詳細に調べた。その結果、Pt電極を使用する限り、高結晶性のPCMO薄膜では、高抵抗は実現できず抵抗スイッチングも起きない。高抵抗アモルファスPCMOにフィラメントパスとナノスイッチが形成され、スイッチング動作がおきていることを明らかにした(APL 89, 243504(2006)他)。 2. フィラメントパスーナノドメインスイッチ構造の原理試作と動作メカニスムの解明 拡散防止導電性膜としてCMOSプロセスで使用されるTiN表面を低温酸化させ、モット転移の臨界ドナー濃度の低いTiO_2アナターゼナノ層を形成、前者をフィラメントパス、後者をナノスイッチとして抵抗スイッチングデバイスを作製、高分解能透過型電顕(HR-TEM)、エネルギ分散X線スペクトロスコピー(EDS)、電子線エネルギ損失分光(EELS)によりスイッチング特性とナノ構造(電子軌道構造)を解析して、電子注入に伴う酸素イオン拡散、欠陥形成(VO_2+2e')によるナノ領域モット転移のメカニスムを解明した(APL 89, 223509(2006)他)。
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