研究課題/領域番号 |
17360325
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機材料・物性
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
大里 齊 (大里 斉) 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (20024333)
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研究分担者 |
五味 学 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (80126276)
柿本 健一 名古屋工業大学, 工学研究科, 准教授 (40335089)
籠宮 功 (篭宮 功) 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教 (40318811)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
15,730千円 (直接経費: 15,400千円、間接経費: 330千円)
2007年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2006年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
2005年度: 7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
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キーワード | マイクロ波誘電体 / イオン結晶 / 結晶工学 / 誘電体物性 / 移動体通信 / 珪酸塩 |
研究概要 |
ユビキタス社会においてワイヤレス通信は様々な利用が広がっている。電波資源の逼迫から使用周波数は高周波化し、高品質係数(高Q)低誘電率の材料が求められている。本研究では、超高周波材料として注目を集めている珪酸塩について研究開発を進めてきた。 珪酸塩は、シリカ四面体の結合状態によって分類がされている。先ず、その分類に従ってマイクロ波誘電特性を明らかにした。独立四面体からなるネソシリケイトには、フォルステライト、ウイルマイトが高Q材としてあり、本研究ではその温度特性の改善をルチルを添加して行った。2005年度に、島状珪酸塩フォルステライト、ウイルマイト、複合型珪酸塩ディオプサイド、環状珪酸塩コーディエライトに関して研究を行った。2006年度は、コーディエライトにNi、Zn、Mnの固溶の効果を検討した。2007年度は高温型ウオラストナイト、ソーダライムメタ珪酸塩について研究を進めた。 Ni、Zn、Mnイオンを固溶させた環状珪酸塩コーディエライトの結晶構造の解析から、SiO_4及びAlO_4四面体からなる六員環のオーダリング状態がNiイオンの固溶によりディスオーダ即ち高温型のインディアライトに近づくことを明らかにした。この転移に伴って、品質係数が改善された。オーダリングよりも対称性の高い方が良くなるとの貴重な結果を得ている。 一方、高温型ウオラストナイトは、CaをSrイオンで置換することによって36000GHzから66000GHzに改善された。Sr置換により共有結合性が強くなったことが高Qの要因であるとした。 本研究では11種類以上の珪酸塩化合物の特性をリストアップした。誘電率は、珪酸塩単体では6-8でいずれも低い値をとることから、我々の提唱したシリカ四面体の共有結合性がその因であることを証すものである。品質係数は、ホルステライトが最も高くウイルマイトが続いている。ディオプサイド、Niドープ・コーディエライト、Srドープウォラストナイトが続いている。共振周波数の温度係数は、-20〜-70ppm/℃で比較的小さな値である。
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