配分額 *注記 |
16,010千円 (直接経費: 15,500千円、間接経費: 510千円)
2007年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2006年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 10,300千円 (直接経費: 10,300千円)
|
研究概要 |
真空紫外,極端紫外,軟X線の領域の光は,波長が短くナノメートルスケールの解像度での照射が可能である.また可視域もしくは紫外域で透明な物質でもこの領域では,不透明となり強い光吸収が生じ,1光子過程での電子系の励起が可能となる.しかし,表面数層を爆発的に剥し取るアブレーションが起きる程に高い単位時間・単位面積当たりの光子密度(高パワー密度)で照射したときに起きる現象については,未開拓の領域であった.これが実現できれば,透明な物質を含めた広範な物質のナノ加工が可能となり,応用上重要な技術となり得る.本研究では,レーザーにより生成できるレーザープラズマ軟X線に着目した.これは,レーザー光をターゲットに集光照射することでターゲット物質をプラズマ化し,そのプラズマから輻射される軟X線である.この軟X線源は他の軟X線源と比較し,比較的高輝度にできると期待できる.また大型の装置を用いないため実用的な光源として期待できる.さらに,本研究では,特に10nm前後の軟X線を効率よく集光できる光学系について研究を行い開発を行った.以上の研究により高パワー密度の軟X線照射を行う装置を実現した.これを用いることで,世界で初めてシリカガラスなどの無機透明物質を短波長の光でアブレーションできることを示した.さらに,50nmの幅の溝をアブレーションにより加工でき,ナノ加工の可能性を示したことは特筆すべきである.また広範な無機透明材料の加工が可能となった.今後,極微量化学反応・化学分析デバイスの作製への応用が期待できる.また,内殻励起や高密度励起による新しい物質創製への展開が期待できる.
|