研究分担者 |
野城 清 大阪大学, 接合科学研究所, 教授 (40029335)
池野 進 富山大学, 理工学研究部(工学), 教授 (70115129)
長柄 毅一 富山大学, 芸術文化学部, 准教授 (60443420)
本保 栄治 富山大学, 富山県工業技術センター・評価技術課, 主任研究員 (50416137)
横田 勝 富山大学, 芸術文化学部, 教授 (10029225)
|
配分額 *注記 |
16,250千円 (直接経費: 15,200千円、間接経費: 1,050千円)
2007年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2006年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
2005年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
|
研究概要 |
1.TiAINの溶融AIに対する濡れ性:800℃以下では濡れ角は120度程度となり,比較的濡れ性が悪いが,基板と溶融AIと基板との相互拡散が濡れを促進することがわかった. 2.TiAIN/BNナノコンポジット膜:TiAIN/BN膜中のBNの混合比を変化させ,膜の塑性硬さH_<pl>を評価したところ,約14vol%程度のBNの混合により,42GPa以上の高い塑性硬さを得た.得られた膜は,10〜20nm程度の微細なTiAIN粒子で構成され,結晶粒界に非晶質のBN相が存在することがわかった. 3.TiAIN/a-Cナノコンポジット膜:体積比でa-C相を約9%混合した膜では,塑性硬さにおいてTiAIN単相膜に比べ35%増43GPaの高硬度を得た.他方,ヤング率は単相膜よりも10%以上低い値を示し,ナノコンポジット膜特有の性質を有することが分かった.a-C膜およびTiAIN/17vol%a-C膜を大気中400℃〜700℃で1時間加熱後の機械的性質を調べた結果,a-C膜では400℃×1時間の加熱で硬度はほとんど測定不能な程度まで低下したが,TiAIN/17vol%a-C膜では700℃×1時間の加熱後でも約10%程度低下したにすぎず,耐酸化性に優れることが判明した.TiAIN/50vol%a-C膜の微細構造を詳細に調べた結果,この膜は粒径数nm程度のTiAIN微結晶とそれを取り巻く非晶質炭素からなる,ナノコンポジット構造を有することが判明した. 4.CrAIN膜の特性:Cr/A1=(30/70)ターゲットを用いて最適条件で作製した膜では最高35GPaの硬度を得た. 5.実用可能性の検討:TiAIN/50vol%a-C膜をマグネシウム用中子ピンに成膜し,実装テストを実施したところ,マグネシウムの溶着が起こりにくく.皮膜処理なし材の約4倍.TiAIN単相膜処理材の約2倍となる27万ショットまで使用できた.
|