研究課題/領域番号 |
17360382
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
反応工学・プロセスシステム
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
香田 忍 名古屋大学, 大学院工学研究科, 教授 (10126857)
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研究分担者 |
松岡 辰郎 名古屋大学, 大学院工学研究科, 助教授 (60252269)
二井 晋 名古屋大学, 大学院工学研究科, 助教授 (90262865)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
15,200千円 (直接経費: 15,200千円)
2006年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
2005年度: 10,100千円 (直接経費: 10,100千円)
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キーワード | 超音波 / 反応器 / 分離 / スケールアップ / セルロース / 溶媒 / 粘度 / 液高さ / 円筒型反応器 / KI定量法 / ルミノール発光 / 超音波霧化 / エマルジョン会離 |
研究概要 |
液体への超音波照射により生起されるキャビテーションに由来する化学・物理作用を最大限利用した、バイオマス資源の循環プロセスの基盤をなす、反応・分離技術を確立するために検討を行い、以下の成果を得た。 ダクト型ソノリアクターについては、矩形流路の底部に14個の超音波振動子を備えた超音波反応器について、液体上面に反射板を取り付けた場合と自由液面を比較した場合、回分操作では自由液面の方が高い反応効率が得られたが、連続操作では自由液面の優位性がなくなり、液面近傍での流れの制御の重要性を指摘した。 円筒型ソノリアクターで液高さを大きく変化させた場合、反応効率が液高さに強く依存し、周波数の変化に対応して、最も高い反応効率が得られる液高さが変化することを見出し、実験式にまとめた。さらに、実験室スケールの装置では反応効率が低いとされてきた、45kHzの超音波でも液高さを十分に高くすることで、高い反応効率が得られる数百kHzと同等の効率が得られることがわかった。反応効率がピークを取る液高さで、液面に反射板を置く場合と自由液面にした場合について検討し、自由液面の方が反射板ありの場合と比較して高い効率が得られ、液面高さの時間的な変化の結果として共振条件が得られる時間が長くなり、高い反応効率を導いたと考えられる。 セルロースを循環利用するための分解と分離に対して超音波を用いるソノプロセスを、反応と分離の両方の側面から検討した。セルロースをN, NジメチルアセトアミドとLiClの混合溶媒に溶解して、20kHzの超音波照射により切断する場合の操作温度と照射強度が切断効率に及ぼす影響についての実験的検討から、照射時の液温が低いほど切断効果が高く、照射強度を変化させても切断効率は単調に変化しないことがわかった。切断したセルロース溶液の分離に対して、水と混合した後の相分離に2.4MHzの超音波を照射することで、高粘度と低粘度の相に分離することを見出した。この分離には高周波による凝集作用と音響流が関わっている。振動子を1つ備えた小型装置から、振動子を3つ備えた大型装置へと、振動子あたりの液体積と液深さを等しくする設計指針によりスケールアップを行い、大型装置で小型装置と同等の分離を得た。
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