配分額 *注記 |
16,430千円 (直接経費: 15,500千円、間接経費: 930千円)
2007年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2006年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2005年度: 8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
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研究概要 |
新規な蛋白質可溶化・調製法確立への,アミノ酸とその誘導体導入の具体的展開をさらに強固なものとするために,アルギニンとその誘導体の持つ蛋白質凝集抑制に関する作用機序の解明ならびに凝集体可溶化メカニズムへのアプローチについて,以下の観点から研究を進めた. L-アルギニンとその誘導体の作用機序の解明:1)密度計を用いた溶解度測定によるL-アルギニン誘導体と各種アミノ酸,ペプチド結合との親和性の測定から,誘導体の性質によって,目的の機能向上が可能になることを示した.2)2種類の蛋白質のL-アルギニン存在下における結晶構造解析から,アルギニンが水和構造安定化に大きく寄与すること,蛋白質の高次構造にその作用機序が強く依存することを示した. L-アルギニンとその誘導体を用いた蛋白質の可溶化:シグナル伝達系蛋白質数種類について,L-アルギニンとその誘導体を用いて発現した封入体の可溶化を試み,アルギニンの有用性を示すことができた.各種熱量測定からその安定性・機能の記述に成功した。以上の結果から,アルギニンとその誘導体を用いた蛋白質の可溶化法を確立した. 各種Chromatographyへの具体的展開:ゲルろ過(GPC),疎水的相互作用クロマトグラフィー(HIC),イオン交換クロマトグラフィー(IEX),色素親和性クロマトグラフィー(Dye),抗体を中心とした各種親和性クロマトグラフィーにおいて展開溶媒としてのアルギニンの有用性を確固たるものにした. 以上の結果から,アルギニンの持つ特殊な化学構造(グアニジウム基とアミノ酸)をたくみに利用することにより,蛋白質表面構造への作用機序を変化させ,汎用性の高い蛋白質ハンドリングに適用可能であることを示し,解析が困難な蛋白質に対する可溶化・調製システムの基盤を築くことができた.
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