研究課題/領域番号 |
17360403
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物機能・バイオプロセス
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
上岡 龍一 崇城大学, 生物生命学部, 教授 (70099076)
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研究分担者 |
松本 陽子 崇城大学, 生物生命学部, 教授 (00133562)
松下 琢 崇城大学, 生物生命学部, 教授 (10209538)
市原 英明 崇城大学, 生物生命学部, 技術員 (70369114)
金納 明宏 (株)薬物安全性試験センター薬理研究所, 取締役
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
16,380千円 (直接経費: 15,300千円、間接経費: 1,080千円)
2007年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2006年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
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キーワード | ハイブリッドリポソーム(複合脂質膜) / がん化学療法 / アポトーシス / 抗腫瘍効果 / 膜融合 / 流動性 / 薬物送達システム / 筋ジストロフィー / リポソーム(複合脂質膜) / 制がん効果 / リポゾーム(複合脂質膜) |
研究概要 |
頭部極性基が双性でアシル鎖長が異なるリン脂質(C12:DLPC,C14:DMPC,C16:DPPC)とPEG系界面活性剤からなる(ハイブリッドリポソーム;HL)のin vitroにおけるヒト前骨髄性白血病細胞HL-60に対する増殖抑制効果と細胞死誘導の解析を行ったところ、リン脂質のアシル鎖長の違いによりがん細胞に対する細胞死誘導が異なる(DLPCはネクローシス、DMPCはアポトーシス、DPPCは細胞死を誘導しない)ことを明らかにした。とくに、脂質分子として、ジミリストイルポスファチジルコリン(DMPC)とPEG系界面活性剤(C_<12>(EO)_<23>)を構成成分とするHLは、腫瘍細胞(ヒト乳がん細胞、ヒト大腸がん細胞)に対してアポトーシスを誘導し、顕著な増殖抑制効果を示した。アポトーシス誘導メカニズムについて詳細に検討したところ、HLは腫瘍細胞に融合後、Caspase-3,-8,-9およびミトコンドリアを活性化して最終的にDNAを断片化するシグナル伝達であることを明らかにした。さらに、HLは、がん細胞膜の流動性をターゲットとして正常細胞と区別し、流動性の大きな腫瘍細胞膜のみに融合・蓄積することを確認した。動物実験においては、ヒトリンパ腫モデルマウスに対して副作用無く顕著な腫瘍縮小効果が得られた。正常動物に対しての安全性も確認され、臨床応用が期待される。さらに、HLをヒト末梢血単核細胞に添加したところ、サイトカイン(IFN-γ、IL-12)の産生量が顕著に増加した。HLは、がん細胞に直接作用してアポトーシスを誘導するだけでなく、同時に患者の免疫系を賦活化してがんを抑制する免疫療法剤としても期待できる。一方、DDS(薬物送達システム)への応用として、筋ジストロフィーモデルマウスに対するゲンタマイシン封入HLの投与により、副作用無くジストロフィンの発現率が増大し、治療効果が明らかになった。
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