研究課題/領域番号 |
17370003
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
遺伝・ゲノム動態
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
城石 俊彦 国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 教授 (90171058)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
14,600千円 (直接経費: 14,600千円)
2006年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
2005年度: 9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
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キーワード | 比較ゲノム / shh遺伝子 / シス遺伝子 / ノックアウトマウス / 遺伝子発現制御 / 四肢発生 / シス制御因子 / 多指症マウス変異 / トランスジェニックマウス |
研究概要 |
(1)染色体の高次構造ダイナミズムによるShh遺伝子の発現制御 Shh遺伝子は、約1Mb上流に肢芽後方の発現に必要なMFCS1と呼ばれるエンハンサー配列を持つ。長い距離を隔ててどのように転写制御が行われるのか明らかにするために、マウス胚肢芽の後方Shh発現領域・中間領域・前方領域から調製した細胞を用いて3D-FISH法による解析を行った。Shh翻訳領域とMFCS1のシグナル間の距離を測定した結果、Shhを発現する肢芽後方の細胞では両者のシグナルが重なる傾向にあり、逆に中間領域の細胞では両者のシグナルが離れて観察された。さらに、肢芽前方の組織でも5肋翻訳領域とMFCS1配列が近接する傾向にあった。多指症を呈する多くのミュータントマウスでは、肢芽前方に5L肋の異所的な発現を示すことから、両者の近接は、Shhの転写の前段階として必要な細胞のコンピテンスを表す可能性が示された。また、発生段階の進行に伴う染色体構造の変化を調べるために、すでにShhの発現が消失している12.5日胚肢芽の細胞を用いて3D-FISH解析を行ったところ、10.5日胚肢芽の細胞に比べてShh翻訳領域とMFCS1領域の距離が離れていた。染色体高次構造捕獲法によっても10.5日胚肢芽の細胞でShhの第1エクソン領域が、MFCS1と相互作用し、12.5日胚肢芽の細胞ではその相互作用が認められないことが確かめられ、Shh-MFCS1の2点間の距離の変化は発生段階に従って制御されることが示唆された。 (2)Shh発現制御に関与する新規遠隔シス因子の同定 Shh遺伝子の約800k上流にある咽頭部特異的なシス因子であるMFCS4周辺ゲノム約130kbについて、進化的保存性を示す非翻訳配列を探索し、歯、肺、消化器官の原基にレポーター遺伝子を発現させるゲノム配列を複数検出した。
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