研究課題/領域番号 |
17370005
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生態・環境
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
齋藤 裕 北海道大学, 大学院・農学研究院, 教授 (20142698)
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研究分担者 |
高田 壮則 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究院, 教授 (80206755)
佐原 健 北海道大学, 大学院・農学研究院, 助教 (30241368)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
15,330千円 (直接経費: 14,700千円、間接経費: 630千円)
2007年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2006年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2005年度: 9,500千円 (直接経費: 9,500千円)
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キーワード | 生物圏現象 / 行動学 / 進化 / 動物 / 群集 / ハダニ / カブリダニ / ナガヒシダニ |
研究概要 |
本研究で対象とするイネ上科の植物寄生性ダニ類とそれらの天敵ダニ類(以下植物ダニ類)は、植物葉を単位とした半閉鎖系の安定した群集を形成しており、実験観察が容易で、しかも植物種によってその構成種数に5-7種から17種と大きな違いが認められている。これらのほとんどが、この環境だけにみいだされる固有種であり、また植食者であるハダニ類はそれぞれ特有の生活型(網を用いた様々な生息行動)をもち、そこから種間相互作用のあり方を推定できるものが多い。そこで、本研究では、2種間相互作用関係を、さらに多数種の相互作用系へと拡張し、ボトムアップ的に全システムをシミュレーションモデルとして組み上げ、さらに実験系における様々な組み合わせによる多数種ダイナミクスの研究から、コミュニティーが成立・持続する条件を明らかにしようと試みた。 研究は、ササ・タケに生息するハダニ類および捕食者間の相互作用の検出を目的に、ハダニ類の季節適応の実態、ハダニ類の社会構造変異、社会性の維持機構(化学コミュニケーション)、捕食者対抗戦略の立証、個体間、種間相互作用を一般化するゲームモデルの開発、さらにササ・タケ寄生性社会性ハダニ類のススキへの寄主植物転換による進化(種分化)等を扱い、本報告に示すように多くの新しい知見を得、それらを海外の一流研究誌に公表することができた。また、本研究の主要テーマである、種間相互作用のシステムモデルによって、2寄主-2特異的ハダニ系において共通の捕食者の存在が系を安定させることを明らかにすることができた。さらに、4種のハダニと1種の捕食者が直接・間接に相互作用することが、社会性ハダニの生態型分化に関与してきたという、これまでにない新しい知見を得ることができたことは特筆に値すると考えている。
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