配分額 *注記 |
15,660千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 1,260千円)
2007年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2006年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
2005年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
|
研究概要 |
本研究では、これまでの実績をもとに、膜蛋白質の膜組み込みと膜識別機構に取り組み次のような成果をあげた。(1)1型シグナルアンカー配列によるアミノ末端ドメインの膜透過を制御可能な実験系を開発し,予想外に長いドメインを膜透過できること、その際に燐酸高エネルギー化合物や小胞体内腔のhsp70,(BiP)は関与せず、リボソームが膜透過自体に寄与し、膜透過の駆動力が初期段階とその後の連続的段階とで異なることを明らかにした。また,このアミノ末端ドメインの膜透過が細胞内でも制御可能なことを示した。(2)植物のNHEファミリー蛋白,MHX1動物のものと同じ膜トポロジーであることなどを明らかにし,膜組み込み機構の普遍性を示した。(3)小胞体におけるアミノ末端側ドメインの膜透過の引き金となるシグナル配列C-末端側にある正荷電残基が,疎水性配列から20残基以上離れても作用可能なこと,正電荷はリボソームからでてトランスロコンによって識別されることなどを示した。(4)ストレプトアビジンに結合するタグ配列を応用して,アミノ末端ドメインの膜透過を容易に制御できる実験系を新たに開発し,トランスロコンは2本の膜透過途上の親水性ポリペプチド鎖を同時に収容できることを発見した。この事実をもとに,二つの蛋白質膜透過チャネルが協調して機能するモデルを提唱した。(5)K^+チャネルの正電荷を多数有する膜貫通セグメントが電荷間相互作用を主にした要因で膜内配置されること,この際疎水性相互作用も寄与することを明らかにした。
|