研究課題
基盤研究(B)
補体レセプタータイプ1(CR1)は、赤血球、単球/マクロファージ、顆粒球、B細胞、ある種のT細胞、脾濾胞性樹状細胞、糸球体有足細胞の細胞膜に存在する約250kDaの膜糖蛋白質である。sCR1は、C末側の膜貫通ドメインを遺伝子工学的に除去し、水溶性を付与したCR1誘導体である。補体系の活性化を抑制できるので、移植医療、免疫抑制剤の創薬加速の観点から、超急性拒絶反応を抑える効果に期待が集まっている。本基盤研究では主に以下の課題について重点的に取り組み、各項目において今後の研究に役立つ、概ね良好な結果を得ることができた。1)CHO細胞(DUXB11)を用いたsCR1の分泌型大量生産系の効率化、諸条件の最適化。2)sCR1分子(オリゴマー)を単分散状態に保つのに寄与する適切な界面活性剤の選択と、結晶化に向けた精製過程、諸条件の最適化。3)精製のロッドの違いによるsCR1の(微)結晶化条件の再現性の確認、結晶成長を促進する条件についての検討。4)抗凍結保護剤の検討。5)C3bもしくはC4b結合(機能)ドメインのみの分泌型発現系の構築。これらの知見を基に、更なる実験の効率化を図り、透過型電子顕微鏡とX線結晶構造解析の手法を駆使してsCR1の分子構造の解明に取り組んで行きたい。
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20th IUBMB International Congress of Biochemistry and Molecular Biology and 11th FAOBMB Congress Abstracts' CD
平成18年度ライフサイエンス分野融合会議 生命工学部会バイオテクノロジー研究会 合同研究発表会・講演会要旨集
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