研究課題/領域番号 |
17370052
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(共通施設) (2007) 東京大学 (2005-2006) |
研究代表者 |
桑島 邦博 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(共通施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 教授 (70091444)
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研究分担者 |
槙 亙介 名古屋大学, 大学院理学研究科, 准教授 (30361570)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
15,470千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 870千円)
2007年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2006年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2005年度: 9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
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キーワード | 分子シャペロン / シャペロニン / X線溶液散乱 / アロステリック転移 / フォールディング / ATP結合 / 水分子シャペロン / 水分シャペロン / シャペロン |
研究概要 |
本研究の目的とするところは、X線小角散乱法などの物理的測定とストップトフロー法による速度論的測定を駆使して、シャペロニンの作用の分子機構を物理化学的立場から定量的に明らかにすることである。以下の成果が得られた。 ATP存在下生理的条件下にて、大腸菌のシャペロニンGroELとGroESはGroEL/GroES複合体を形成するが、GroELとGroESのモル比1:1の弾丸型複合体とモル比1:2のフットボール型複合体のいずれが形成されるのかが明らかではなかった。X線溶液散乱法を用いて生理的条件下におけるGroEL/GroES複合体の溶液中構造を直接的に観測し、弾丸型複合体が主であり、フットボール型複合体は有意には存在しないことを明らかにした。 シャペロニンGroELのATPによるアロステリック転移の速度定数はATP濃度に対して多重シグモイダルな依存性を示し、従来これは、GroELの二重リング構造に由来するとされていた。しかし、今回われわれは、GroELの単一リング変異体(SR1)においても同様の多重シグモイダルな依存性が存在することを見出した。これはGroEL上に少なくとも2つ以上のATP結合部があることに由来すると考えられる。ATPにより誘起されるGroELアロステリック転移のADPによる阻害実験から、100μM ADP-400 μM ATPの条件下では第二ATP結合部位がADPによって占有される。この条件下で、azido-ADPによる光親和性標識を行い、標識GroELを得た。蛍光性亜鉛錯体を用いて標識GroEL中のリン酸基の存在を確認できたので、第二ATP結合部位の存在が確認されたことになる。今後、第二ATP結合部位のアミノ酸配列上の位置を明らかにすることが必要である。
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