研究課題/領域番号 |
17370054
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
内藤 晶 国立大学法人横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 教授 (80172245)
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研究分担者 |
西村 勝之 国立大学法人横浜国立大学, 自然科学研究機構分子科学研究所, 准教授 (00334631)
川村 出 国立大学法人横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 研究教員 (20452047)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
13,090千円 (直接経費: 12,400千円、間接経費: 690千円)
2007年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2006年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
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キーワード | ヒトカルシトニン / グルカゴン / アミロイド線維 / 脂質2分子膜 / クルクミン / 固体高分解能NMR / 電子顕微鏡 / 線維形成阻害 / 線維形成組害 / カルシトニン / アルツハイマー病 / 脂質二重膜 / 2段階自己触媒反応 / CP-MAS / サケカルシトニン |
研究概要 |
カルシトニンはアルツハイマー病に見られるアミロイド繊維を形成するアミロイド形成タンパク質と認識されている。このカルシトニンの線維形成現象を解明するため、固体高分解能NMRの手法を用いて線維形成と反応速度、線維の二次構造決定を行い、線維形成の分子機構を明らかにする研究を行った。さらに、細胞内の条件に近づけるため、脂質二分子膜の存在下で起こる線維形成の分子機構を明らかにする研究を行った。 ヒトカルシトニンに関して、繊維成長の経時変化からこの線維形成は線維核形成と線維伸長の2段階自己触媒反応機構により形成することが判明した。この線維形成機構で生じる中間体は球状の形状をもち、線維に転移することが電子顕微鏡により観測された。ヒトカルシトニンのF16L, F19L変異体については繊維伸長速度が遅くなったので、芳香族アミノ酸であるPhe-16, Phe-19が線維成長に重要な役割をしていることが判明した。アミロイド線維形成阻害物質について検討したところ、電荷をもつアミノ酸は繊維核形成阻害効果のあることが判明した。またポリフェノールのクノクミンを加えると繊維がまったく形成されなかったので、大きな阻害効果のあることが判明した。 グルカゴンについては脂質二分子膜の存在下で線維形成を行ったところ、水溶液中で形成する線維はN-端側とC-端側がβ-sheet構造を形成するのに対し、脂質二分子膜存在下ではN-端はα-helixを形成したままであることが分かった。また、脂質二分子膜存在下では水溶液中に比べて核形成速度は速くなり、線維成長速度は遅くなることが分かった。グルカゴンは脂質膜に結合して濃縮されるので、線維核形成は速くなると考察できる。
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