研究課題
基盤研究(B)
1.S期開始時の複製装置形成が段階的に起こり、2つのキナーゼが異なるステップを制御することを発見した複製必須因子であるMcm5,Sld3,Psf2,Cdc45などの温度感受性変異株を用いて、複製装置に含まれる因子をChIP法で解析し、S期移行時の複製開始点への因子の結合には決まった依存関係があることを示した。その結果、複製装置形成が以下のように段階的に進行することを示唆した。(1)Dbf4依存キナーゼ(DDK,Cdc7-Dbf4キナーゼ)の活性に依存してSld3が結合し、(2)サイクリン依存キナーゼ(CDK)に依存してGINS,Cut5が結合し、(3)それらすべてに依存してCdc45が結合する、ことを提唱した。2.分裂酵母染色体の複製開始点を網羅的に同定した高密度タイリングアレイ(DNA Chip)を用いて、複製因子Orc1とMcm6のChIP-Chip解析により、複製開始点を網羅的に決定した。さらにチミジンキナーゼを発現する細胞株を作成し、ヒドロキシ尿素添加条件で複製開始点近傍のみにプロモデオキシウリジン(BrdU)を取り込ませて新生DNAを標識・分離し、アレイ解析によって実際にS期初期に複製を開始した領域を同定した。これらの解析によって、初期(307箇所)・後期(153箇所)複製開始点が同定された。興味深いことに初期・後期開始点はそれぞれ別々の領域に集積しており、広範囲の複製開始制御機構の存在が示唆された。さらにセントロメアヘテロクロマチン領域は初期複製開始点が集積していたのに対し、キネトコアが形成するセントロメア中央では複製開始が阻害されていることが判明した。またテロメア近傍には非常に多くの複製開始点が集積しているがそれらはS期初期にはまったく複製開始しないことが判明し、領域特異的制御が示唆された。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (13件)
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