研究課題
基盤研究(B)
oriCプラスミドDNAを鋳型にした試験管内複製系を用いて、DNA損傷により複製が阻害された場合に損傷乗り越え型DNAポリメラーゼが複製の再開や複製フォークの再形成を行うかどうかを検討した。RecAタンパク質とDNA Pol VによるDNA複製の再開は検出できなかったが、DNA Pol IV (DinB)ではLeading鎖およびLagging鎖上でバイパスDNA合成が極めて効率良く生じ、Leading鎖上の損傷で停止していた複製フォークが再開することが示唆された。この発見は、世界ではじめてDNA損傷による複製フォークの阻害が損傷乗り越え型DNAポリメラーゼの働きにより解消されて再開することを示したことになる。この過程で、DinBが複製酵素であるDNA polymerase IIIホロ酵素のDNA鎖伸長反応を特異的に阻害することを見いだした。in vitroでの詳細な解析により、DNA上でβクランプと安定に結合しているPol IIIがDinBの働きによりDNAから解離することが見いだされた。クランプと複製酵素の結合を解離させるDinBの新規酵素活性がDNA鎖上の損傷部位などで停止してしまったPol IIIを損傷部位から離脱させて他の損傷乗り越え型DNAポリメラーゼなどの介入を容易にするものと予想される。また、複製酵素をDNA複製フォークから取り除くことにより、DNA複製を一時的に停止させることに役立っているのかも知れない。このことを大腸菌細胞で検証するために、DinBの発現を制御できる菌株を作成し、DinB過剰発現のDNA複製に対する影響を調べた。その結果、DinBの過剰発現の直後から細胞のDNA複製が完全に抑制され、DinBが単に損傷乗り越え型DNAポリメラーゼとして働くのではなく、DNA複製の制御因子として働く可能性が示唆された。
すべて 2008 2007 2006 2005
すべて 雑誌論文 (27件) (うち査読あり 13件) 学会発表 (58件) 図書 (2件)
J. Biol. Chem. 283
ページ: 11260-11269
Genes to Cells 13
ページ: 459-469
J. Biol. Chem 283
J Biol Chem(電子出版)
Genes Cells (in press)
Cancer Research 67
ページ: 6599-6604
Genes Genet. Systems 82
ページ: 273-280
ページ: 99-108
Mol. Cell Biol. 27
ページ: 568-578
Genes Genet Systems 82(4)
Cancer Research 67(14)
Genes Genet Systems 82(2)
Mol. Cell Biol 27
Mol Cell Bio 27
Genes to Cells 11
ページ: 767-778
J. Biol. Chem. 281
ページ: 32898-32908
Genes Cells 11
J. Biol. Chem, ASBMB Today 281, 5
J Biol Chem 281
DNA Repair 4
ページ: 1252-1269
DNA Repair (Amst) 4
Plant Cell Physiol. 46
ページ: 699-715