配分額 *注記 |
15,480千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 1,080千円)
2007年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2006年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2005年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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研究概要 |
本研究では,出芽酵母とシロイヌナズナを用いた分子遺伝学的や生化学的解析によって,糖鎖修飾を介した小胞体品質管理の分子機構を明らかにすることを目的とした。出芽酵母を用いた解析では,異常糖タンパク質小胞体関連分解(ERAD)において基質認識にあずかるMnllpが,protein disulfide isomerase(PDI)とジスルフィド結合を介して相互作用することを見いだした。そして,Mnllp-PDI相互作用がERADに必要であることを明らかにした。また,ERADの基質認識におけるタンパク質の高次構造異常と糖鎖構造との関連を解析するための新規ERAD基質として,出芽酵母における代表的なERAD基質であるCPY*を改変してCPYのユニットがタンデムにつながったCPY*-CPYとCPY*-CPY*を開発した。これら新たに構築した基質を用いた解析によって,分解シグナルとなるN結合型糖鎖修飾が高次構造が異常となるドメインに存在することが,ERADにおける基質認識に必要であることが示された。シロイヌナズナを用いた解析では,動物細胞において糖鎖を介した小胞体品質管理にあずかる因子であるcalnexin/calreticulin,EDEM,OS9等のシロイヌナズナホモログに関する欠失変異体を作製した。この結果,AtCNX1とAtCRT1を共に欠損すると生育が遅延することを示唆する結果を得た。また,植物細胞における新規ERAD基質としてAtCPY*-GFPを開発し,出芽酵母とは異なり,AtCPY*-GFPのERADには糖鎖修飾が必要ないことを示した。
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