研究課題/領域番号 |
17370075
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
細胞生物学
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研究機関 | 国立循環器病センター(研究所) |
研究代表者 |
望月 直樹 国立循環器病センター(研究所), 循環器形態部, 部長 (30311426)
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研究分担者 |
福原 茂朋 (福原 成朋) 国立循環器病センター(研究所), 循環器形態部, 室長 (70332880)
増田 道隆 国立循環器病センター(研究所), 循環器形態部, 室長 (00190364)
川原 敦雄 国立循環器病センター(研究所), 循環器形態部, 室長 (10362518)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
15,650千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 1,050千円)
2007年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2006年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
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キーワード | 細胞接着 / GTP結合蛋白質 / 血管内皮細胞 |
研究概要 |
Rasファミリー低分子量GTP結合蛋白質RapとR-Rasの細胞間接着における機能を明かにする目的で本研究を計画した。血管内皮細胞は、血管の安定化のためには、強固な接着を、血管新生のためには血管内皮細胞間の接着の乖離が必要である。これまで細胞間内皮細胞の接着を細胞内cAMPが増強させることが証明されてきたが、その分子メカニズムが明かにされていなかった。cAMPがRap1の活性化因子であるEpacのグアニンヌクレオチド交換活性を増加させて、Rap1の活性化を誘導することがわかった。この際に、内皮細胞間接着を裏打ちするアクチン細胞骨格系の再構成がおこり、裏打ちが増強することをRhodaminによるアクチンの染色によって確認した。cAMPを増加させるイソプロテレノールや、アドレノメデュリンで刺激したときに、血管内皮細胞の細胞間接着が強くなり、この時にGTP-Rap1の増加を認め、さらにこの接着増強作用がRap1の水解促進因子のRap1GAPIIの強制発現で減弱されることからも、cAMP-Epac-Rap1が重要であることを示している。血管内皮細胞間接着では、vascular endothelial cadherin(VE-cadherin)のホモフィリックな結合が細胞間接着を増強させるが、このVE-cadherin依存性の接着によりRap1の活性化因子MAGI-1がルクルートされ、結果としてGTP-Rap1の細胞間接着部位での増加と、引き続く接着の増強がおこることを突き止めた。いずれもRap1の活性化により細胞間接着が増強するメカニズムを明かにできたので、浮腫などで血管透過性が亢進している場合の抑制にRap1が拮抗することが考えられた。今後、Rap1の下流因子の何が接着の増強に中心的な役割を果たしているのか明かにしていくことが重要と考えた。
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