研究課題/領域番号 |
17370089
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人類学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
百々 幸雄 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50000146)
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研究分担者 |
松村 博文 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (70209617)
川久保 善智 佐賀大学, 医学部, 助教 (80379619)
鈴木 敏彦 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (70261518)
安達 登 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (60282125)
澤田 純明 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (10374943)
瀧川 渉 東北大学, 大学院医学系研究科, 助手 (90323005)
坂上 和弘 独立行政法人国立科学博物館, 人類研究部, 研究員 (70333789)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
15,740千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 1,140千円)
2007年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2006年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
2005年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
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キーワード | 人類学 / 遺伝学 / 東北地方 / 北海道 / 古代蝦夷 / アイヌ / 縄文人 / 二重構造論 / 古人骨 / 江戸時代 / 奈良・平安時代 / 古墳時代 / 北海道アイヌ / 東北地方北部 / 歴史時代 / 和人 / 蝦夷 |
研究概要 |
東北地方出土の古墳時代人と江戸時代人に焦点を合わせて、人骨の形態学的および遺伝学的研究を行った。 頭蓋の形態小変異と計測的特徴の分析からは、九州→関東→東北→北海道へ向かう形質の地理的勾配の存在が明らかになった。この地理的勾配は古墳時代でとくに明確であり、江戸時代になってもかなり明瞭に認められるが、現代人になると地域間の均質性が進むため地理的勾配は痕跡的に認められるにとどまった。このような結果は、縄文人という日本列島の基層集団の中に、大陸から九州地方に渡来した移住集団の遺伝子が弥生時代以降徐々に周辺に拡散してゆき現在の日本列島の住民構成ができあがったと説明する埴原の「二重構造モデル」と概ね一致している。 頭蓋の計測的特徴に基づく判別分析では、九州→関東→東北→北海道へと向かう形質の地理的勾配が非常にはっきりしており、東北北部江戸時代人と北海道アイヌの間に明確な線引きをすることができないという結果が示された。また頭蓋の形態小変異で扱った東北古墳人は宮城・福島両県のもので、古代蝦夷に相当する北東北の古墳・古代人を含んでいなかったが、九州→関東→東北→北海道へと向かう形質の地理的勾配から推測すると、古代蝦夷に相当する人々は南東北の古墳人よりもさらにアイヌ・縄文人グループに近づくと考えられた。 これらの結果から、古代蝦夷がアイヌであったか日本人(和人)であったか、という設問は成り立たず、古代蝦夷とは東北地方の縄文時代から古代・中世にかけての人類形成史の一過程に生存した人々であったと結論された。 ミトコンドリアDNAの解析では、東北地方の古墳・古代人9例中1例に、北海道および東北縄文人と北海道アイヌに共通するハプログループN9bが確認された。
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