配分額 *注記 |
16,450千円 (直接経費: 15,700千円、間接経費: 750千円)
2007年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2006年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
2005年度: 8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
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研究概要 |
アスパラガスには雄性活性因子Mを同型接合体として持つ系統(超雄性系統)が存在し,このような遺伝子型をもつ系統を花粉親として用いると次世代には雄性個体のみが生じる。そのため,種子生産を目的として超雄性系統の育成が行われてきた。超雄性系統を得るには,雄性花でありながら雌蕊に受精能力をもつ花を着生する系統(雄性両性同株系統)を利用する方法がある。しかし,結実性雄性花を着生する系統は稀にしか存在せず,実際に育成された超雄性系統は極めて限られている。アスパラガスの花は両性花として分化した後,花器官の発育不全により単性花に成熟する。花器官の形成はMADS-box遺伝子によって決定されることがわかっている。アスパラガス'Gold Schatz'の系統(GS#2)は,本来雄蕊が分化する位置,Whorl3に雌蕊様器官を形成する。その変異の原因を調べたところ,クラスB遺伝子の発現低下が関係していることが明らかになった。'GS#2'では雌花形成の際に起こるはずの雄蕊の発育不全が見られず,whorl3に形成された花器官は発育し続けることから、性発現に障害が起きでいると推定される。野生型系統を花粉親として交雑した結果,次世代の表現型はすべて野生型となった。このことから,'GS#2'のホメオティック変異は劣性形質であると考えられた。今後の研究として,'GS#2'の変異形質を次世代個体で発現させる手法の確立が必要である。一方,短期的に応用可能な研究として,雌雄アスパラガスの早期判別法の確立に取り組んだ。その結果,DNAマーカーの利用が,幼植物段階での判別に有効であることがわかった。さらに,この雄性判別DNAマーカーを用い,定量PCRを行うことにより,雄性個体と超雄性個体を高い確実性で判別できることがわかった。この結果から,超雄性個体は雄性活性因子に関し同型接合であることが示唆された。
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