研究分担者 |
赤浦 和之 島根県立大学, 短期大学部, 准教授 (80144343)
中川 強 島根大学, 総合科学研究支援センター, 教授 (30202211)
板井 章浩 鳥取大学, 農学部, 准教授 (10252876)
中務 明 島根大学, 生物資源科学部, 准教授 (40304258)
伴 琢也 島根大学, 生物資源科学部, 講師 (20325046)
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配分額 *注記 |
16,750千円 (直接経費: 15,700千円、間接経費: 1,050千円)
2007年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2006年度: 6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
2005年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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研究概要 |
果実の樹上における成熟・軟化と収穫後の追熟・軟化について,生理学的,組織学的,分子生物学的な研究を行うことで,貯蔵性の増大をはかるための基礎知見を得ることを目的として研究を行った. (1)カキの子房と幼果,未熟果と成熟果ならびに樹上軟化した成熟果由来の3つの異なるcDNAライブラリーを構築した.カキ果実の発育や成熟に関連する多くの遺伝子情報を得ることに成功した.そのうち,アラビノフラノシダーゼ遺伝子DKARF1の全長およびアラビノフラノシダーゼ/キシロシダーゼ遺伝子DkXYI/ARF1部分断片を得た.これらの遺伝子は収穫後炭酸ガスによる脱渋処理期間中は発現が著しく低下し,脱渋処理後開封すると,著しい発現の上昇がみられ,軟化の様相と深い関係があると考えられた. (2)カキ'西条'果実の樹上での着色に関して,エチレン作用阻害剤(1-MCP)処理によっても,着色が進行することより,内部エチレンは関与していないことが示唆された.樹上における成熟過程では内部エチレンがほとんど検出されないことから,この果実軟化にはエチレンは関与せず,樹上での晩秋の熟柿状の軟化には,明かな内部エチレンの増大が認められることから,エチレンが関与していることが示唆された.ブドウ果実に関して,同一果実内においても,その部位により成熟の進行程度は異なることを明らかにした.ブルーベリー果実に関しては,内成分(特に果実の軟化に関与する要素)がその収穫時期ごとに異なることを明らかにした. (3)組織学的研究:エチレン処理により軟熟させたカキ'西条'において,軟化が進行する果実の果肉組織の状態を非破壊でMRI断層撮影を行うと,果肉組織の半透明化(浸潤)は軟化に伴って,特に維管束周囲から起こることが観察された.光学顕微鏡観察の結果,軟化した果肉組織では,細胞間にゆるみが生じていることが認められ,顕微鏡画像から組織の軟化が確認できた.
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