研究課題/領域番号 |
17380049
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
植物栄養学・土壌学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
山本 洋子 岡山大学, 資源生物科学研究所, 准教授 (50166831)
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研究分担者 |
佐々木 孝行 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助教 (60362985)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
15,880千円 (直接経費: 14,800千円、間接経費: 1,080千円)
2007年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2006年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
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キーワード | アルミニウム毒性 / 細胞伸長 / 糖代謝 / 光合成 / 液胞 / 活性酸素種 / アルミニウム活性化型有機酸輸送体 / 発芽 / アルミニウム / 根伸長阻害 / 糖転送 / 有機酸 / 細胞死 / 細胞伸長阻害 / ショ糖欠乏 / ショ糖輸送 / 植物生育阻害 |
研究概要 |
酸性土壌における作物生育阻害の主要因子は、アルミニウム(Al)イオンであり、Alによる生育阻害機構やAl耐性機構の解明は、Al耐性作物の創出に必要な基礎研究である。本研究では、細胞伸長や根の生育に必要な糖に着目して、これらの機構を解析した。 1.Alの糖吸収や糖代謝への影響:タバコ培養細胞において、Alは糖の吸収を阻害し、同時に細胞内の遊離糖の消費を促進した。これらが原因で、細胞内の浸透濃度が低下し、水吸収が阻害され、細胞伸長が阻害される可能性がある。 2.根におけるAlストレスが光合成産物の転流に与える影響:根をAlに暴露すると光合成産物の転流量が増加した。 3.Alによる細胞死誘発機構:タバコ培養細胞において、Alストレスと糖欠乏ストレスとは異なり、共に遊離糖含量を低下させるが、活性酸素種の誘発はAlに特異的であること、Alによる細胞死のプロセスに、液胞の崩壊と、細胞質のカルシウム(Ca)イオン濃度の変動が含まれることを見出した。 4.Alに応答した有機酸放出に関する研究:コムギに見られるAlで活性化されるリンゴ酸放出の生理学的意味として、根圏のAlを無毒化するだけでなく、根の生育能の維持に必要であることを見出した。Al活性型のリンゴ酸輸送体は、ALMTl遺伝子にコードされているが、ALMTl遺伝子上流域に、発現制御に関わる重複配列を見出した。ALMTlタンパク質の膜配向性を明らかにした。 5.イネの発芽に見られるAl耐性形質の遺伝学的解析:発芽期にAl高感受性を示すイネ変異系統を選抜し、矮性形質と連鎖している可能性を示した。 以上、本研究によって、これまでに報告のないAlのエネルギー代謝への影響を見出した。今後は、その詳細について分子や遺伝子レベルで解析し、Al耐性をサポートする有機酸の代謝制御や、発芽における糖の分解や供給におけるAlの関わりを解明したいと考えている。
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