配分額 *注記 |
15,850千円 (直接経費: 14,800千円、間接経費: 1,050千円)
2007年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2006年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
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研究概要 |
Carbazole 1,9a-dioxygenaseは、カルバゾールに対し1, 9a位への水酸化(核間二水酸化)を触媒すると共に、多環芳香族炭化水素に対しては分子末端への水酸化(末端二水酸化)を触媒する。さらに、芳香族化合物分子内のメチレン炭素やスルフィド硫黄への一水酸化も触媒する興味深い基質特異性を持つ。この基質特異性の分子メカニズム解明に向けて、基質結合ポケット内で基質分子と直接相互作用する4つのアミノ酸(I262, F275, Q282, F329)に対する単一変異酵素17種、二重変異酵素11種の部位特異的変異体の作製と活性検定、それら変異体のうちで興味深い活性変化を示したものについて基質複合体構造のX線結晶構造解析を行うことで基質結合位置を決定すると共に動力学的解析を行った。結果をまとめると以下のようになる。 1.I262VやQ282Yなどで、カルバゾールへの核間水酸化能が減少し、1,2位への末端二水酸化能が向上した。また、F275Wでフルオレン3,4位への末端二水酸化能が、F275Aで水酸化位置不明ながらフルオランテンへの末端水酸化能が向上した。 2.構造解析の結果、上記基質特異性の変化は基質結合ポケットの疎水表面の形状変化に伴い、基質の結合様式が変化し、活性中心に結合した酸素と最も近接した芳香環状の炭素原子が変化したことによることが明らかとなった。ただし、変異導入により基質の酵素への親和性は高まるが反応速度は大きく減ずることが示され、反応効率(K_<cal>/K_mは野生型酵素に及ばないことが示された。 3.本研究によりI262, F275の基質特異性決定への寄与が高いことが示されたが、さらにI184, L200, A259, V272,E284なども活性に影響する可能性が考えられた。
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