研究課題/領域番号 |
17380053
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用微生物学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
村田 幸作 京都大学, 農学研究科, 教授 (90142299)
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研究分担者 |
三上 文三 京都大学, 農学研究科, 教授 (40135611)
橋本 渉 京都大学, 農学研究科, 准教授 (30273519)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
15,510千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 1,110千円)
2007年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2006年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
2005年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
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キーワード | Sphingomonas / アルギン酸 / フラジェリン / 鞭毛 / レセプター / X線結晶構造解析 / 体腔 / T4ファージ / フィンガードメイン / 鞭毛タンパク質 / 細菌細胞表層構造 / Sphingomonas属細菌 / 鞭毛進化 / 細胞表層 / 襞構造 |
研究概要 |
鞭毛非形成のSphingomonas属細菌A1株は、細胞表層の襞分子の再編により大きな孔「体腔」を形成し、そこから高分子多糖アルギン酸を取り込む。アルギン酸存在下で細胞表層に誘導発現するタンパク質p5(40kDa)とp6(31kDa)(互いに40%の同一性)について、それらの機能と構造を解析し、以下の知見を得た。 1.p5とp6は、フラジェリン(鞭毛タンパク質)と類似している。アルギン酸培地で生育遅延を示すp6遺伝子破壊株の細胞表層は、襞構造が不鮮明になり、体腔形成も不完全であった。p5とp6の二重遺伝子破壊株はアルギン酸培地での生育能を欠損するため、両タンパク質は互いに密接に連携することが示唆された。表面プラズモン共鳴法により、p5とp6はアルギン酸特異的に結合し、その解離定数はnMレベルであることが分かった。以上のことから、細胞表層タンパク質p5とp6は、鞭毛形成よりも、襞構造の構築と体腔の形成及びアルギン酸の受容に機能することが明らかになった(アルギン酸レセプター)。また、鞭毛形成細菌由来のフラジェリンもアルギン酸結合能を示すため、多糖結合と鞭毛形成との進化的相関が示唆された。 2.p5のX線結晶構造は、N/C末端領域のαドメイン(α_1+α_2)と中央領域のβドメインから成る。α_1ドメインを欠失したp5変異体は、アルギン酸結合能を失う。一方、βドメインは、T4ファージの基盤と尾繊維とのヒンジ領域に位置するタンパク質gpllのフィンガードメインと似ている。フィンガードメインと基盤タンパク質gp10との結合は、尾繊維が細菌細胞表層に接着するのに重要である。フィンガードメインが他のタンパク質と相互作用を示すことから、p5のβドメインはA1株の細胞表層分子と相互作用するアンカーとして機能し、アルギン酸結合に重要なαドメインを外界に配向させていると考えられる。
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