研究課題
基盤研究(B)
現在、研究の進められている難分解性化合物分解菌のほとんどは土壌、活性汚泥から単離された陸生のものであり海洋性の難分解性化合物分解菌の研究はほとんどされていない。しかしながら、タンカーの座礁事故や難分解性化合物の河川から流入により海洋は汚染されており、これらの浄化は急務である。海洋性微生物は海水中を浮遊しているため菌濃度が薄く、海水中に含まれる微量成分の存在比率により生育に影響を受けるため非常に難培養であるものが多い。これらを克服するために菌源の海水を濃縮することや培地の成分を検討することで、多くの海洋性カルバゾール、ジベンゾフラン資化菌の取得に成功した。また、カルバゾール分解菌としては報告例の無いLysobacter sp.OC7株や既知の菌と非常に相同性が低く新目の菌と考えられるOC6S株の取得にも成功した。これらの分解系遺伝子を取得するためにCA10株のカルバゾール分解酵素の遺伝子をプローブに用いてサザンハイブリダイゼーションを行ったが検出することはできなかった。メタ開裂酵素を指標としたショットガンクローニング法にて海洋性細菌の難分解性化合物分解遺伝子の取得に成功した。カルバゾールやジベンゾフラン等の難分解性化合物の上流の代謝に2サブユニットメタ開裂酵素は深く関与していることは知られているが、これらの酵素の立体構造は明らかとされていない。しかしながら、様々な基質に対して活性を持たせたり、分解効率を向上させた変異酵素を創製するためには酵素の立体構造を解明することは必須である。Pseudomonas resinovorans CA10株由来の2サブユニットメタ開裂酵素CarBaBbを精製、結晶化し、空間群P2_12_12、分解能1.6Aのデータを得ることができ、SIRSの手法を用いて初期位相を決定した後、モデル分子を構築し、立体構造を明らかにした。この結果を用いて、海洋性細菌の持つ難分解性化合物分解酵素と陸生細菌の持つ難分解性化合物分解酵素の構造と機能を比較して変異酵素を創製するため、取得したメタ開裂酵素についても立体構造を明らかにすることを目的として研究を進めている。
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