研究課題
基盤研究(B)
脂質代謝の中心臓器である肝臓、小腸では、精密な調節機構によりその代謝恒常性は維持されている。摂食後とその反対の空腹時に、生体内では種々の脂質代謝酵素活性が転写レベルで目覚ましく変動している。これに関わる因子として、コレステロール・脂肪酸代謝に関与する転写因SREBPについて申請者はその発見から関与し、ここ10年間機能解析の研究を行ってきた。また、2000年代に入り、種々の核内受容体(LXR、FXR、LRH-1、SHP、HNF-4、PPAR等)が脂質代謝調節に関与することが明らかにされ、申請者はこれら核内受容体がSREBPとクロストークし、恒常性維持のバランスが取られていることを明らかにしつつある。本年度は、SREBPと相互作用する核内受容体の解析を行い、2種類の核内受容体を見出した。数種類のレポーターアッセイを用いた系で、それぞれが相互作用を介して互いの転写活性を調節しあう可能性が示された。さらに、siRNAを用いた系で内因性の発現を抑制した際に,想定される相互作用は消失したことからも同様の結論を導いた。In vitroのGST pull-downアッセイにより、それぞれの分子内のどの部位で結合するかについても解析を行った。以上の知見に基づき現在,このようなタンパク質相互作用を介した転写因子間の活性制御機構に影響を与えて,脂質代謝を改善する効果を有する食品成分の探索評価系の構築を進めている。新たな探索系による機能性食品成分の発見は、生活習慣病予防の観点から利用価値の高いことが期待される。
すべて 2007 2005
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