研究課題/領域番号 |
17380095
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
林学・森林工学
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研究機関 | 京都大学 (2006-2007) 広島大学 (2005) |
研究代表者 |
井鷺 裕司 京都大学, 農学研究科, 教授 (50325130)
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研究分担者 |
陶山 佳久 東北大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (60282315)
柴田 銃江 森林総合研究所, 東北支所, チーム長 (10343807)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
12,910千円 (直接経費: 11,800千円、間接経費: 1,110千円)
2007年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2006年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2005年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | 送受粉 / 遺伝的多様性 / 繁殖生態学 / 適応度 / 繁殖成功 / 生物保全 / 被子植物 |
研究概要 |
送粉過程の実態の解明は、森林生態系の維持・更新機構の理解と適切な管理のために重要であるが、送粉過程に関して、個々の花粉粒レベルで、その移動距離、パターン、遺伝的性質に関する詳細な解析が行われた例はなく、これまで、間接的な方法で解析が行われているに過ぎない。本研究では、これらの事項を明らかにするために、まず、個々の花粉粒を対象に複数遺伝子座の遺伝子型を決定する技術を開発した。花粉粒に含まれる核ゲノムのコピー数は少ないけれども、本研究によって開発した手法によって、90%以上の遺伝子座において正確な遺伝子型の決定が可能であった。 マイクロサテライトマーカーを用いた解析によって、樹冠において採集された訪花昆虫の体表面に付着している花粉について、個々の花粉粒ごとに遺伝解析を行い、昆虫タイプごとに、送受粉効率、花粉親の多様性、遺伝的な構成などを、これまでに行われてこなかったレベルで、詳細に解析した。その結果、従来、優秀な送粉者として機能していると考えられてきたマルハナバチ類が、ホオノキにとっては、自家受粉をもたらす花粉を多く運んでいることが判明した。また、あまり活発に行動しないため、自家受粉をもたらすとされていたハナムグリ類が、遺伝的に多様な花粉を体表に付着しており、送粉者として有効に機能していることが分かった。昆虫タイプごとの真の送粉効率や機能を理解するためには、この様に、従来の行動観察だけでは十分でなく、本研究で行ったような、花粉粒単位の遺伝解析が有効であることが明らかになった。
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