配分額 *注記 |
12,880千円 (直接経費: 12,400千円、間接経費: 480千円)
2007年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2005年度: 9,100千円 (直接経費: 9,100千円)
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研究概要 |
本研究は,研究代表者が世界に先駆けて見出した「下痢性貝毒の原因渦鞭毛藻であるDinophysisの葉緑体はクリプト藻に由来する」という意外な事実に基づき,葉緑体起源クリプト藻の出現がDinophysisの出現を左右するとの仮説の検証を目指したものである。クリプト藻の検出は,新たに開発した特異核酸蛍光プローブにより,また,電動ステージと蛍光・画像認識装置を備えた全自動蛍光顕微鏡によった。2年間の三陸海岸における調査により,同海域における優占的DinophysisであるD.fortiiの出現は,常に葉緑体起源となるクリプト藻(Teleaulax)のブルームの後に見られ,水温塩分による水塊分析により,同クリプト藻は,津軽暖水と沿岸表層水の混合水塊に出現することが明らかとなった。また,平成19年度には,定量PCRを用いた同クリプト藻の検出の試みを行った。以上の,葉緑体起源クリプト藻の出現のモニターにより,D.fortiiの出現が予知できる可能性が示された。 本調査の過程で,イェッソトキシン産生性の渦鞭毛藻(Protoceratium reticulatum)の顕著な出現を見出し,その出現環境と,ホタテガイへの毒成分の蓄積状況を論文として報告した。また,Amylax属渦鞭毛藻がDinophysisと同じクリプト藻を葉緑体の起源に持つことを見出し,これに関しても論文として報告した。
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