配分額 *注記 |
13,620千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 420千円)
2007年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2006年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2005年度: 9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
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研究概要 |
研究の目的 降雨や浸透水に起因する地盤災害,あるいは地盤の地表汚染に適切に対処し防止するためには,地盤の水理特性(透水性と保水性)を迅速にかつ精度良く評価する必要がある。このためには,地盤の広がりと深さ方向をトータルにとらえたサイト・キャラクタリゼーションを実現したシステムの開発が不可欠である。本研究では,これまでに開発を進めてきた原位置透水試験法に,新しく,地盤の礫含有率の評価ができるボアホールレーダならびにボアホール透水計を組み合わせることにより,地盤水理のサイト・キャラクタリゼーション・システムを開発する。現地実証試験を含めた3年間の研究期間を設定した。 研究成果の概要 1)平成17年度:地盤のトータルな透水性は,原位置透水試験によって測定されるピン・ポイントの地盤土の透水係数と地盤の礫率によって決定できる。室内で作製した小規模地盤に降雨を負荷したのち,地盤内から生じる流出量を測定し,数理モデルを利用して3次元浸透状況下における地盤水理モデルの有効性を確認した。 2)平成18年度:地盤中を伝播反射する電磁波伝播速度の測定データを分析する際,プロファイル測定画像から反射面の深度を定量的に評価するうえで,測定波の変状を区分するための視覚的な経験が必要となる。粒度が均質な砂丘砂地盤において,浅い地盤を対象としたCMP測定試験を実施し,レーダー法による地盤の物理状態の違いの検出性能を確認した。合わせて,現地実験を通して,原位置透水試験法をベースとした地盤水理特性の逆推定法の検討を行った。礫を含まない均質な浅い地盤に対して,十分に実用的な推定法を開発できた。 3)平成19年度:原位置透水試験法とレーダ法を組み合わせることにより,地盤水理モデルをベースにしたサイト・キャラクタリゼーション・システムの実用化を探った。確認の調査試験のために,砂丘列圃場の斜面地形を利用した小規模な土砂地盤プロットを造成・設定し,雨量,地盤水分動態等の局地水文観測値と照らし合わせて,システムの妥当性を検証した。合わせて,研究成果を公表し不飽和土工学に関わる情報を収集するため,9月に「不飽和土研究会」(30名の参加)を開催し,研究発表論文集を上梓した。
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