研究課題/領域番号 |
17380171
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎獣医学・基礎畜産学
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研究機関 | 京都大学 (2006-2007) 帯広畜産大学 (2005) |
研究代表者 |
宮沢 孝幸 京都大学, ウイルス研究所, 特別教育研究准教授 (80282705)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
16,980千円 (直接経費: 15,600千円、間接経費: 1,380千円)
2007年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2006年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
2005年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
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キーワード | 食肉目 / レンチウイルス / 宿主域 / ネコ免疫不全ウイルス / レトロウイルス / 受容体 / AIDS / CD134 / ネコ / FIV / グリア / リンパ球 / ネコ科動物 / 種間伝播 / ワクチン / 後天性免疫不全症 / エイズ / レセプター / 大型ネコ科動物 / ライオン |
研究概要 |
レトロウイルス科レンチウイルス属に分類されるヒト免疫不全ウイルスは、ヒトにAIDSを引き起こし、人類にとって大きな脅威になっている。霊長類以外の動物にもレンチウイルスが存在し、獣医領域においては、ウマ、ヒツジ、ヤギのレンチウイルス感染症が古くから問題になっていた。家猫にも病原性のあるネコ免疫不全ウイルス(FIV)が感染していることが明らかとなり、大きな問題になっている。大型ネコ科動物もレンチウイルスをもっており、これらは病原性がなく宿主と共存状態になっていることが最近明らかになった。レンチウイルスの宿主域決定機構を解明することは、新たなレンチウイルス感染症を防御する上で非常に重要である。我々はネコのグリア細胞由来株化細胞G355-5においてFIVの感染メカニズムを解析した。G355-5細胞において、FIV Petaluma株は主受容体であるネコのCD134(fCDI34)分子を必要としなかったが、TM2株は必要とした。しかし、逆にPetaluma株はCD134を発現させると感染はむしろ抑制され、TM2株は感染は成立するもののウイルスの放出が抑えられた。しかし、TM2株感染G355/fOX40細胞においては、感染後50日でFIVは細胞から放出されるようになり、またCPEをほとんど示さず持続感染状態になった。このウイルスをTM2PI株と命名し、詳細に解析したところ、TM2PI株はCD134非依存的にG355-5細胞に感染するように変異していた。さらに我々は、CD134細胞発現G355-5細胞において、FIV感染が抗体依存的に増大することを見いだした。本研究からFIVの感染には、主受容体からの感染の他に様々な経路が存在することが示唆された。また、本研究で得られたTM2PI株は既存のFIVワクチンの改良に有用であると考えられた。
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