研究課題
基盤研究(B)
犬においてアレルギー疾患が多く報告されている。その中でもスギ花粉症の犬はアレルギー全体の10%程度を占め、ダニアレルギーに次いで重要なアレルギー疾患である。アレルギー治療研究の分野において乳酸菌が注目され、乳酸菌におけるTh1誘導能およびIgE産生抑制効果が示されている。本研究においてスギ花粉症に対する抗原特異的な免疫療法として、安価に製造可能なスギ花粉アレルゲン遺伝子組換え乳酸菌を用いたワクチンを開発することを目的としている。ベクターとして、乳酸菌:Lactobacillus casei(ATCC393)を用いた。L.. caseiにおける発現に成功しているLLOとの融合タンパクとして発現されるようにデザインしたプラスミドベクターを作製し、ム.oε5θグに導入した。本研究では、 N末端から158-329番目のアミノ酸を含むスギ花粉アレルゲンであるCry j 1(Cry j 1_<158-329>;約20 kDa)を用いた。このCry j 1はヒトおよびBALB/cマウスのCD4+T細胞が認識するT細胞エピトープを含んでいる。 LLOは、Listeria monocytonegesの菌体由来タンパクであり、LLO白体にマウスの脾臓細胞からTh1サイトカインを誘導することが明らかとなっている。 LLOは溶血毒性を有するため、本研究では、溶血毒性をもたらすドメインを欠損させた変異LLOを用いた。抗LLO抗体を用いたウェスタンブロット法では、 Cry j 1_<158-329>-LLO導入株で約60kDaのバンドを、LLO導入株では約40kDaのバンドを検出した。この分子量の違いはCry j 1_<158-329>(20kDa)の分子量と一致することから、導入したCry j 1_<158-329>は発現していると予想される。また、LLOからCry j 1_<158-329>にわたるシークエンスを増幅するようにデザインされたプライマーペアを用いたRT-PCRによって、Cry j 1_<158-329>mRNAの発現も確認した。これらの結果は、この組換えL.. caseiにおけるCry j 1_<158-329>の発現を示している。このリコンビナント乳酸菌によるIL-12P70誘導能をBALB/cマウスの脾臓細胞で検討した結果、 LLOの発現によってIL-12の産生が増強されることが明らかになった。
すべて 2006 2005 その他
すべて 雑誌論文 (29件)
Tree Physiology 26
ページ: 51-62
ページ: 1517-1528
Veterinary Record 156
ページ: 87-88
Allergology International 54
ページ: 159-166
10014469066
Veterinary Immunology and Immunopathology 104
ページ: 249-256
European Journal of Pharmacology 510
ページ: 143-148
動物臨床医学 14
ページ: 81-84
獣医臨床皮膚科 11
ページ: 189-192
130004494253
Allergology International 54,159-166, 2005. 54
Journal of Animal and Clinical Medicine 14, 14,81-84, 2005. 14
Japanese Journal of Veterinary Dermatology 11
ページ: 2005-2005
Veterinary Immunology and Immunopathology (in press)
Allergy (in press)
Allergology International (in press)
10019815641