研究課題/領域番号 |
17380194
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境農学
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
藤巻 秀 独立行政法人 日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (20354962)
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研究分担者 |
鈴井 伸郎 独立行政法人 日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究員 (20391287)
中村 進一 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (00322339)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
16,260千円 (直接経費: 15,000千円、間接経費: 1,260千円)
2007年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2006年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
2005年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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キーワード | カドミウム / ポジトロン / イメージング / トレーサ / イネ / 篩管 / 導管 / 節 / 吸収 / ファイトレメディエーション / 輸送 / 放射性 |
研究概要 |
本研究課題の目的は、土壌および食糧の汚染が社会問題となっているカドミウムについて、カドミウムの経根吸収および植物体中の輸送の動態をポジトロン放出カドミウム核種を用いたリアルタイムイメージングによって明らかにすることである。それに対し、ポジトロン放出トレーサである^107Cdの沈殿法による精製方法、水耕液の自動維持システム、植物による吸水量と^107Cd吸収量をイメージングと同時にモニタリングするシステムを開発した。その結果、栄養成長期(播種後4週)および登熟期のイネを含む、植物体内におけるカドミウム輸送の挙動をポジトロンイメージングによって動画像として可視化することに世界で初めて成功するとともに、吸収などに関する定量的データを得た。これらを解析することにより、以下のことが明らかになった。栄養成長期のイネにおいては、水耕液からの吸収速度が0.05-100nmolL^<-1>の範囲で水耕液中のカドミウム濃度に比例すること、地上部では葉鞘基部へのカドミウムの集積が顕著に認められること、葉鞘基部には水耕液から吸収した量の約10%が約1時間程度のタイムラグを伴いつつ蓄積すること、根分け実験により、カドミウムを吸収させていない根(冠根)に対して葉鞘基部からカドミウムが移行すること。登熟期のイネにおいて、カドミウムが伸長茎(稈)、特に各節に強く集積すること、頴果にも集積が認められるものの葉鞘・葉身にはほとんど移行していないこと。以上の結果から、栄養成長期では葉鞘基部の節においてカドミウムが導管から篩管へ乗り換えていると考えるのが合理的であり、結論として、登熟期に根で吸収されたカドミウムは伸長茎の節において段階的に導管から篩管に乗り換えたのち、葉を経由することなく、玄米に移行・集積するという動態の全体像が推察された。カドミウムのxylem-to-phloemanferが節で行われることを実験的に示したのは本研究が初めてである。
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